第六章
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「カープは勝つんだな」
「阪神にね、負けていられないわ」
「阪神もだ、世界で一番魅力的なスポーツチームだからな」
「それでなのね」
「仇名の多さとセンスのよさでも」
「世界一ね」
「そうあるんだ、だからな」
それ故にというのだ。
「カープにだってな」
「負けないのね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「絶対にな」
「言うわね、けれどね」
「それでもか」
「その台詞そのまま返すから」
「そうか、じゃあな」
「仇名でも勝つわよ」
兄妹で笑みを浮かべながら言い合った、そして。
言い合いが落ち着いたところでだ、二人にキッチンにいた母が言ってきた。
「ご飯よ」
「あっ、そうなんだ」
「それじゃあ今からお手伝いするわ」
「お願いね、今日はジャーマンポテトと卵の中華スープよ」
この二つだというのだ。
「スープにもお野菜かなり入れてるからね」
「うん、それじゃあだね」
「今から用意して」
「皆で食べましょう、お父さんも後で帰って来るから」
家にというのだ。
「お父さんの分もね」
「残しておく」
「そうしないとね」
「お父さんジャガイモ好きだから」
それでというのだ。
「ちゃんとね」
「残さないとね」
「ジャーマンポテトもね」
「スープもね」
母はこちらも忘れていなかった。
「いいわね」
「うん、忘れないよ」
「私もね」108
二人で母に答えた。
「それはね」
「絶対にね」
「ええ、じゃあね」
「今からね」
「用意するわね」
こう応えてだった。
二人は夕食の手伝いをした、それが整ってから楽しく食べた。その食事は非常に美味かった。
そして食後は入浴を済ませそれぞれ予習と復習に励んでから寝たが。
朝にデイリーを読んでだ、寿は千佳に言った。
「ルーキーの人が早速な」
「仇名ついたの」
「ああ、キャンプの時にな」
「そうなのね」
「それでその仇名がな」
妹に愛読しているその新聞を読みつつ話した。
「これから定着するんだ」
「そうなるのよね」
「プロ野球選手を仇名で呼ぶのはな」
それはというと。
「もうお約束だからな」
「プロ野球ファンだとね」
「だからな」
「お兄ちゃんその人はこれから」
「ああ、グラウンドネームで呼ばせてもらうかな」
「仇名で呼ぶのね」
「そうだよ、たださん付けはな」
これはというと。
「絶対だからな」
「ファンとしての礼儀よね」
「監督は監督でな」
そう呼んでというのだ。
「やっていくからな」
「コーチの人はコーチでね」
「ああ、それじゃあルーキーの人もな」
「仇名で呼ぶわね」
「そうしていくな」
こう言って実際にだった。
寿はその人も仇名で呼ぶ様になった、その仇
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