第八十三部第三章 今だ目覚めずその十七
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「女の子に相応しいもの買うか」
「それをプレゼントにされますか」
「是非な、旅行以外にも金が出ていくな」
「世の中そんなものですよね」
「金は持ってるとな」
「その分出て行きますね」
「だよな、それで何処に行くか」
自分の財布から出た金はというのだ、先輩は今度は人生においてよく言われていることを話すのだった。
「それはな」
「お金は常に旅行しますね」
「天下の回りものっていうな」
「常に動いて」
「それでもな」
「何処に行くか」
「沢山持っている人のところにだよ」
つまり富裕者のところにというのだ。
「行くんだよ」
「そうですね」
「沢山持ってる、金持ちも金は使うし喜捨もな」
「する人はしますね」
「中にはしない奴もいるさ」
所謂ケチもいるというのだ。
「業突く張りがな」
「因業爺とも言いますね」
「確かにそうした奴もいるな、そしてな」
「お金は、ですね」
「沢山持ってる奴のところにな」
「集まりますね」
「金は生きものって言うだろ」
先輩はこの言葉も出した、これはこの時代のサハラでよく言われていることで連合でも言われている。
「それで寂しがりでな」
「沢山持ってる人のところにですね」
「行くんだよ」
「貧乏人のところには寄らないですね」
「一旦集まると違うけれどな」
それでもというのだ。
「やっぱりな」
「お金持ちのところには余計にですね」
「だから連合なんかな」
先輩はここでもこの国に言及した。
「凄いだろ」
「サハラ全体の六百倍ですよね」
「総生産がな」
「その分お金もですね」
「持ってるんだよ」
「そういうことですね」
「二十世紀後半はマスコミがな」
この媒体の企業はというのだ。
「凄かったらしいな」
「ああ、もう情報を独占して」
「権力も持ってな」
「そこにお金もですね」
「集まったんだよ」
「まさに敵なしだったんですね」
「それでやりたい放題だったんだよ」
特に日本では酷かった、意図的な捏造記事や報道を行っても全く何のお咎めもなかった程であった。
「新聞記者とかテレビの人間が取材に来るとな」
「やりたい放題ですか」
「そんな有様だったらしいな」
「その辺りのヤクザ屋より酷いですね」
「それで社会の木鐸とかな」
「言ってたんですね」
特権を持った横暴な連中がというのだ。
「酷いものですね」
「あんまりにも酷かったからな」
それでというのだ。
「流石に二十一世紀になって衰退したけれどな」
「ネットとかに情報とかがいきましたね」
「マスコミが情報独占出来なかったらな」
情報で生きるこの世界がというのだ。
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