第六話 宿屋と道具屋その九
[8]前話 [2]次話
「ここまで来られる方が稀なので」
「大抵一階のやな」
「四霊獣の方々に敗れ」
そうなってというのだ。
「そこで、です」
「諦めてやな」
「そうしてです」
そのうえでというのだ。
「去られるので」
「ここまでか」
「来られる方はです」
「滅多におらんか」
「この世界がはじまってから存在している塔ですが」
「人が出て来る以前からか」
「いえ、人が出て来てです」
そうしてというのだ。
「それと同時にです」
「神霊達が建てたんか」
「共に力を合わされて」
「築いたか」
「そうです、ですが」
「人の世がはじまってから見てもか」
「数える程しかです」
それこそというのだ。
「ここまで来られた方はです」
「おらへんか」
「左様です」
まさにというのだ。
「ここまで来られたなら」
「それならか」
「必ず踏破されてますか」
「そうなんか」
「私の知る限り」
芥川にこう断わって話した。
「左様です」
「そうなんか」
「それだけです」
「四霊獣との戦いがか」
「ふるいになっているのでしょう」
「最初の最初でか」
「まさに」
こう話した。
「最初が肝心と言いますが」
「その最初がか」
「最大のふるいになっていまして」
「あそこで負けて」
「諦めたなら」
そうなればというのだ。
「もうです」
「ここまで来ることはないか」
「はい、そして」
女はさらに話した。
「踏破もです」
「出来んか」
「そうかと」
「そういうことか」
「はい、ただ」
「ただ?」
「皆さんでしたら」
十人全員を見て話した。
「踏破出来ると思います」
「何で言えるんや?」
中里は女に微笑んで尋ねた。
「僕等やと踏破出来るて」
「実力に加えて」
このことはステータスを見ての言葉だ、この世界ではそれぞれのステータスを確認出来るがこの塔の中でもそうであるのだ。
「ご気質も」
「それも見てか」
「どの方も目が澄んでいて」
そうしてというのだ。
「まっすぐを前を見ているので」
「そやからか」
「その目を見ますと」
そうすればというのだ。
「わかります、よく言われますね」
「正しい心を持ってるとやな」
「目はそうなっています」
澄んでいてまっすぐに前を見ているというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ