第六話 宿屋と道具屋その七
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「この様にしてです」
「宿屋やってるんやね」
「左様です、ここも慣れるとです」
老人は綾乃に明るく穏やかな笑顔で話した。
「中々です」
「楽しいんやね」
「そうした場所です」
こう話すのだった。
「街に移動出来ますし」
「ああ、この塔街もあったね」
「はい、百階に」
こちらにというのだ。
「店員用の移動の為の魔法陣もあるので」
「宿屋の中にやね」
「そちらを使いまして」
そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「街にも行けるんやね」
「そうです、ですから」
「ここもやね」
「慣れますと」
「ええとこやねんね」
「左様です、あと街ですが」
老人は綾乃にこちらの話もした。
「百階ごとにです」
「あるんやね」
「そうです、宿屋や街を拠点として」
そのうえでというのだ。
「進んでいって下さい」
「神様とも戦って」
「左様です、果てしなく高い塔ですが」
「それでもやね」
「終わりはありますので」
「前に来られた方々ですが」
老人の妻と思われる悪魔の老女も言ってきた、穏やかな顔立ちである。
「その様にされてです」
「宿屋や街を拠点としてやね」
「先に進まれまして」
そうしてというのだ。
「そのうえで、です」
「踏破したんやね」
「恐ろしいまでに強い方々でした」
「タゴール達やな」
リーは老女の話を聞いて言った。
「そやね」
「はい、あの方々です」
老女は彼の名前を聞いてその通りだと答えた。
「踏破を目指されて」
「それを果たしたか」
「左様です、この塔に来られる冒険者は多いですが」
「踏破はか」
「殆どの人が最初の四霊獣に敗れますので」
そうなるからだというのだ。
「ですから」
「それでかいな」
「はい」
だからだというのだ。
「ここまで来られる方も」
「殆どおらんか」
「そうです、ですが」
それでもというのだ。
「神霊の方々はこの塔をです」
「人への試練としてか」
「もうけられているので」
だからだというのだ。
「それで、です」
「宿屋もあるか」
「街も、そうしてです」
「人の踏破を助けてるか」
「左様です、それぞれの僕に任せられて」
宿屋や道具屋そして街をというのだ。
「そのうえで、です」
「塔を進む助けにしてるか」
「そうです、この塔は決して人を退けるものではありません」
老人は笑顔で話した。
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