第六十六話 泳ぎながらその十四
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「そこからまた強くなれるわね」
「そうだね、ただね」
「ただ?」
「ドン底を味わって」
そうしてというのだ。
「そこからね」
「そこから?」
「学ぶべきことを学ばないとね」
薊は富美子に話した。
「今の巨人みたいにだよ」
「ドン底から出られないのね」
「巨人はね」
自称球界の盟主であるこのチームはというのだ。
「今だってだよね」
「ああ、もう野球っていったらね」
「巨人だってね」
「思ってるわね」
「今だに球界の盟主ってね」
「言ってるわね」
「それで何をやっても許されるって」
これも巨人の特徴である、邪悪の権化と言うしかないこのチームはこれ以上はないまでに自己中心的であるのだ。
「そうね」
「思ってね」
「やってるからね」
「ああしてなのね」
「弱いままんだよ」
「反省しないから」
「何でずっと最下位か」
薊は話した。
「それをね」
「誰も考えてないのね」
「チームの誰もね」
「ずっと盟主だけで」
「もうお金もないのに」
自慢のそれもというのだ。
「いつも誰かを掠め取ろうってね」
「よそのチームの選手をね」
「それしか考えてなくて」
「育成しないからね」
「だからだよ」
「いい選手いないわね」
「しかも設備投資もしないから」
これもなくてというのだ。
「それで考える野球もね」
「しないから」
「もうね」
そうした状況に陥っていてというのだ。
「あの通りなんだよ」
「ドン底のままね」
「ああなったら」
それこそというのだ。
「おしまいだけれど」
「巨人はね」
「反省もしなくて」
そしてというのだ。
「もう誰も来ないのに」
「フリーエージェントの人達も」
「そうだってのにね」
「まだ来ると思ってるわね」
「昔の考えのままでね」
球界の盟主というそれのだ。
「やってるから」
「どうにもならないのね」
「ああなったら」
それこそというのだ。
「本当にね」
「駄目ね」
「ドン底を味わったら」
「どうしてドン底に落ちたか」
「そこを反省して」
「どうしたら上がれるか」
「それも考えてね」
そうしてというのだ。
「上がる為にね」
「その為の努力をすることね」
「そうしてこそね」
まさにというのだ。
「上がれるのよ」
「阪神はそれをしたってことね」
「横浜もね、じゃあ今年の残りのペナントも」
「ええ、お互いにね」
「頑張っていこうね」
「そうしていきましょう」
薊と共に遊びつつだ。
富美子は彼女と話した、そうして海での時間を楽しんだのだった。
第六十六話 完
2022・12・15
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