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妹とマンゴー
第三章
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 一家で残った木の実を売って大儲けしました、それからアンビが教えてくれた方に行ってまた実を持って来てです。
 また売って自分達が食べた後の種を埋めるとそれが木となってまた実を作ってそれを売ってでした。
 何時しか一家はパンジャブでも有名なお金持ちになりました、それでお兄さん達もお義姉さん達も口々に言いました。
「皆アンビのお陰だな」
「そうだな」
「アンビがあの実を持って来てくれたからだ」
「私達もお金持ちになったわ」
「あの実と実る木も手に入れられて」
「それで売れる様になったから」
 こう言うのでした。
「全部アンビのお陰よ」
「全くよね」
「アンビがいてこそね」
「スカーフが風に飛ばされてだが」
「それなら風の神様の恵みか」
「そうかもな」
「本当にお金持ちになってよかったわ、ただね」
 そのアンビは言いました。
「私今もスカーフ大事にしているよ」
「ああ、そうだな」
「今も首に巻いてるしな」
「あの時のスカーフをな」
「あの時のことは忘れたらいけないわね」
「貧しかった時も」
「それでものは大事にしないとね」
 家族でアンビの言葉に笑顔で頷きました、そうしてです。
 一家はお金持ちになっても貧しかった時のことを忘れずものを大切にしました。アンビのスカーフ全てのはじまりとなったそれを見て。
 ただ一つ困ったことがありました、それは何かといいますと。
「しかしこの実は何という名前なんだろう」
「知らないな」
「俺達が学がないからな」
「木もそうね」
「何で名前かしら」
「一体」
 自分達に幸せをもたらしてくれた実それが実る木の名前はわかりませんでした、ですがそんな彼等にです。
 実を買った学者さんがお話しました。
「これはマンゴーだよ」
「マンゴーですか」
「そうだよ、マンゴーというんだよ」
 アンビに笑顔でお話しました。
「覚えておいてね」
「わかりました」
 アンビも家族も名前がわかって笑顔になりました、こうして一家に困ったことはなくなったと喜びました。
 それを見てです、学者さんは言いました。
「最初から仲がよくて無欲だからかな」
「だからですか?」
「幸せになれたのかな」
「そうなんですか」
「最初から仲がよくて無欲だとね」
 それならというのです。
「幸せだしそこに神様も恵をだよ」
「くれるんですか」
「そうかもね、最初からそうした幸せがあるなら」 
 それならというのです。
「尚更だよ」
「幸せになれますか」
「仲がよくて無欲ならね」
 こう言うのでした、そしてです。
 学者さんはマンゴーを買いました、すると一家はそれだけで幸せな笑顔になりました。それからもマンゴーを売って幸せに豊かに過ごしていきました。


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