第一章
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妹とマンゴー
インドのパンジャブ地方のお話です。
こちらに四人の兄妹がいました、上の三人は兄で末っ子が妹でした、妹の名前はアンビと言ってとても可愛い娘でした。
それで兄達は彼女を可愛がり彼等の奥さん達もそうしました。ですが。
一家は両親が早く先立ち持っている田んぼも畑も収穫が悪く貧乏でした。それでものがあまりありませんでしたが。
ある日お嫁さん達が何とかです。
お金を貯めてスカーフを一枚買ってでした。
アンビにプレゼントしました、するとアンビは大喜びで言いました。
「お義姉さん達有り難う、大切にするわね」
「ええ、そうしてくれると嬉しいわ」
「とても大事にしてね」
「そうしてね」
「そうするわ、絶対になくさないわ」
アンビはお義姉さん達に約束しました、そうしてです。
いつもそのスカーフを身に着けて遊んだり家のお仕事をしていました、ですがそんな中でなのでした。
ふと油断した時にです、そのスカーフが。
風に吹かれて飛んで行きました、それでアンビは慌ててそのスカーフを追いかけていきました。
するとアンビは晩ご飯の時間になっても帰ってきません、それでお兄さん達もお義姉さん達もお家でとても心配しました。
「アンビは何処に行ったんだ?」
「もう夜だぞ」
「まだ帰っていないなんてどうしたんだ」
「何処に行ったのかしら」
「虎や豹に襲われたのかしら」
「攫われていないといいけれど」
アンビは待っても来ません、それでです。
カリーを食べることをしないでアンビを探そうとしますと。
「只今」
「アンビだ」
「アンビの声だな」
「そうだ、間違いないぞ」
お兄さん達はその声を聞いてまずはお互いにお話しました。
「聞き間違えるものか」
「ずっと聞いている声だ」
「これはアンビの声だ」
「何処に行ってたのかしら」
「心配したわ」
「ちょっと聞かないといけないわね」
お義姉さん達もこうお話しました。
「それならね」
「ちょっと叱っておかないとね」
「人を心配させたら駄目だって」
いつもは優しくてもこうした時は別です、それでなのでした。
六人でお家の玄関まで行きました、そうしてまずはアンビの姿を確認しました。するとなのでした。
アンビはいつも通り首にお義姉さん達が贈ったスカーフを巻いてです。
その手にアーモンド形の黄色いすべすべした感じの身を持っています、その実を見てです。
お兄さん達もお姉さん達も首を傾げさせました、そうしてアンビにそれぞれ尋ねました。
「どうして帰りが遅かったんだ?」
「何があったんだ?」
「いつもは早く帰るのにどうしたんだ」
「それにその実は何なの?」
「木の実なのはわかるけれど」
「見たことが
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