第二章
[8]前話
「これがガラスというものかい」
「今回優しい言葉を戴いて送り出してもらったので」
スモーランドはお婆さんに笑顔で答えました。
「ですから」
「そのお礼かい」
「はい、ガラスのコップとです」
それにというのです。
「造り方もです」
「教えてくれるのかい」
「宜しいでしょうか」
「何か悪いね」
お婆さんはスモーランドのお話を聞いて申し訳なさそうに言いました。
「こんなものまで貰って教えてもらうなんて」
「いえ、これもです」
「私がかい」
「優しく送り出してくれたので」
それでというのです。
「是非」
「そうなんだね」
「では宜しいでしょうか」
「じゃあ皆が戻ってからね」
「それからですか」
「教えてくれるかい?」
「それでは」
スモーランドも笑顔で答えました、そしてです。
家族でガラスの造り方を教えてもらってでした、実際に造るとなりますと。
「火が必要だね」
「そうですね」
スモーランドはお婆さんに応えました。
「ガラスを造るには」
「うちは樵のお家だし周りはね」
「木が一杯ありますね」
「特に松の木がね」
この木がというのです。
「あるね」
「はい、ですから」
それでというのです。
「ガラスを造ることにです」
「この辺りは向いてるんだね」
「はい」
その通りだというのです。
「ですから」
「これからはだね」
「皆さんは樵を続けられて」
それと共にというのです。
「ガラスも造られて」
「そうしてだね」
「暮らされて下さい」
こうも言うのでした。
「そうされるとです」
「今よりもだね」
「きっとです」
「豊かになるんだね」
「そうもなりますから」
だからだというのです。
「松の木も使って」
「ガラスを造っていくね」
「そうされて下さい」
スモーランドはお婆さんに笑顔で言いました、そうしてでした。
お婆さんの一家はガラスを造って売って大金持ちになりました、それはこの辺りの他の家にも及んで。
その辺りはガラスの産地として知られる様になりました、これがスウェーデンの南がガラスの産地として知られる様になったはじまりです。そのはじまりはスモーランドという妖精とお婆さんのそれぞれの優しさから来たものだったのです。
スモーランド 完
2022・12・11
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