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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第88話:ナンバーズ
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判ったよ。ゲオルグ」

「よし。じゃあ改めてよろしくな。セインにウェンディ」

そう言って手を差し出すが、2人はきょとんとしてお互いに顔を見合わせた。

「ゲオルグは何がしたいんっスか?」

ウェンディの言葉に俺はガクっと肩を落としかけるが、気を取り直す。

「握手だよ。よろしくって意味をこめて手を握り合う挨拶の一種だ」

「へー。じゃあ、よろしくっス」

ウェンディはそう言って俺が差し出した手を握る。
・・・力いっぱい。

「いててて・・・握手ってのは軽く握る程度でいいんだよ」

「そうなんっスか・・・こんなもんかな?」

そう言って再び俺の手を握る。今度はきちんと力を加減されていて
きちんとした握手になっていた。

「ほれ、セインも」

俺はそう言って今度はセインの方に手を差し出す。

「うん。よろしく」

その時、2人の後ろから1人の少女が歩いてきて、俺の前に立った。

「あの・・・私・・・」

「ん?どうした、ルーテシア」

ルーテシアにそう尋ねると、ルーテシアは言いづらそうに顔を落とす。

「おい、ルール―」

その時アギトがルーテシアに声をかける。
ルーテシアはアギトに向かって小さく頷くと、顔を上げて俺の顔を見る。

「私、ゲオルグ・・・さんとお話したいことがある」

「そうか、じゃあちょっとそこらへんに座って話そうか。
 悪いけどセインとウェンディはまた今度な」

「はいっス」
「はいはーい」



俺はルーテシアの手を引くと他の連中から少し距離をとったところに
腰を下ろす。

「で?お話ってのはなにかな?」

ルーテシアは俺の前に立って、やはり言い出しづらそうにしていた。
何の話かは大体想像がついたので、しばらく無言のまま向き合っていると、
ルーテシアは意を決したように顔を上げる。

「あの・・・あのときはごめんなさい」

そう言ってルーテシアは深く頭を下げた。
見るとその肩は少し震えているようだった。

「あのときのことはもういいよ」

俺がそう言うとルーテシアは俺を見る。

「で、でも・・・」

「あの時のことも含めてルーテシアはここに入れられてるんだから、
 罪は償ってる。だからもういいよ。ただね・・・」

俺はそこで一旦言葉を切るとルーテシアの目を見つめる。

「2度とああいうことをしてほしくない。
 ガリューを大切に思うならなおさらね。いいかな?」

そう訊くとルーテシアはこくんと頷いた。

「よし。いい子だね」

俺はルーテシアの頭に手を伸ばすと、ゆっくりと撫でた。
俺の手が触れた瞬間にルーテシアはびくっ肩を震わせたが、
ゆっくりと撫でていると、気持ち良さそう
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