第一章
[2]次話
キリストとモミの木
古い古いお話です。キリストはこの時使徒の人達と一緒に世界の人々を助けて回っていました。ですがその中で、です。
雨が降ってきました、それで使徒の人達はすぐに雨宿りの場所を探しました。
「これはいけません」
「早く雨宿りの場所を探しましょう」
「さもないと濡れてしまいます」
「そうしたら風邪をひきます」
こう言ってでした。
咄嗟に雨宿りの場所を探しました、するとです。
すぐ傍にモミの木がありました、使徒の人達はそのモミの木を見て一瞬あそこにと思いましたがすぐにでした。
がっかりしたお顔になってこう言いました。
「あれは駄目だ」
「そうだね」
「全員入られない」
「私達全員が入るなんて」
「とても無理だ」
「葉が茂っている場所が狭い」
「これではだ」
どうしてもというのです。
「雨宿りは出来ない」
「これは無理だ」
「他の木に行こう」
「そうしましょう」
こうお話します、ですが。
キリストは微笑んで、です。使徒の人達に言いました。
「この木の下に入りましょう」
「このモミの木のですか」
「その下にですか」
「入るのですか」
「はい、必ずです」
微笑んで言うのでした。
「この木は大丈夫です」
「それはどうしてでしょうか」
「これだけ枝と葉の幅が狭いのに」
「雨宿りが出来るのですか」
「そうなのですか」
「この木は私が幼い頃母と共に雨宿りをした木です」
マリアと、というのです。
「モミの木は」
「そうだったのですか」
「主が幼い頃にですか」
「雨宿りをされた木だったのですか」
「その時にです」
使徒の人達にさらにお話しました。
「この木は私と母がゆっくり休める様にです」
「そうなる様にですか」
「何かをしたのですか」
「そうなのですか」
「はい、自ら枝を下げ」
そうしてというのです。
「幅を広げてです」
「そうしてですか」
「雨宿りをさせてくれたのですか」
「そうだったのですか」
「はい、ですから」
そうした木だからだというのです。
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