第一章
[2]次話
アナザーフィルム
詩音静香はイギリスから来た留学生のトーマス=トンプソンと交際している。二人共大学生である。
静香は一五〇程の背でやや吊り目で口は小さい。丸顔で黒髪を短めにしている。鼻は普通の高さで胸が結構ある。
トーマスは茶色の髪をセットしていてやや面長で彫のある顔である。ブルーグレーの目で鼻が高く背は一八〇近くありすらりとしている。
二人は今ピクニックで通っている大学の近くの山にいるが。
トーマスは日本の山の中で静香に言った。二人共登山服である。
「イギリスの山とね」
「全く違うのね」
「うん、何ていうかね」
こう静香に話した。
「山菜も茸も果物も多いね」
「そうなのね」
「かなりね、それにね」
「それに?」
「多いね」
トーマスはこうも言った。
「山が」
「ああ、日本は」
「うん、海に囲まれていて」
そうした国でというのだ。
「それと共にね」
「そうなのよ、日本はね」
静香もそれはと答えた、共に山道を歩きつつ。
「山がね」
「多い国だね」
「もう七割位がね」
国土のというのだ。
「山よ」
「そうだよね」
「だからちょっと行ったらね」
「山だね」
「そうなのよ、だからピクニックとか登山をしようと思ったら」
それこそというのだ。
「簡単によ」
「出来るんだね」
「そうなのよ」
「そうした国だね、しかし怖さはないね」
「いや、夜は怖いでしょ」
夜の山はとだ、静香は答えた。
「流石に」
「いや、イギリスの山つまり森なんてね」
「どうなの?」
「マクベスだよ」
シェークスピアのこの戯作の名前を出してきた。
「魔女がいたよね」
「ああ、マクベスに予言する」
静香もそれはと答えた。
「あのね」
「その魔女達がいてね」
そうしてというのだ。
「妖精もいれば山賊もいて」
「色々いるのね」
「そして幽霊もいるね」
そうしたというのだ。
「不気味な場所でもあるんだ」
「それがイギリスの森なの」
「これは殆どインチキだったけれど」
トーマスはこう前置きして話した。
「コナン=ドイルが騙された妖精ね」
「あのお話ね」
「女の子達の作り話の」
「何か一つだけ本物っぽいのがあるのよね」
「そうらしいけれど」
「あの写真も森ね」
「ああして妖精もいるね」
そうしたというのだ。
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