第三章
[8]前話
「この球場なんだよ」
「甲子園か」
「そうさ」
「野球でな」
「この球場か」
「日本にも蔦があって」
「野球なんだな」
「いい球場だよ」
笑顔でだ、こうも言ったバッキーだった。
「阪神ってチームもな」
「そんなにかい?」
「入ってよかったよ、何なら試合も観るかい?」
「時間があったらな」
その時はというのだ。
「観させてもらよ、大阪から来たんだけれど」
「大阪かい?あそこもいいよな」
「面白い街だね」
記者はバッキーに笑顔で答えた。
「あそこは」
「そうだろ、それで日本にもな」
「蔦があるんだね」
「そうだ、ただアイビーリーグじゃなくてな」
「阪神っていう野球チームか」
「高校野球もやってるよ、それぞれの国に蔦があるんだね」
「そうなんだよ」
バッキーは記者にあらためて話した。
「それでそれぞれな」
「あるってことをだね」
「俺も日本に来てわかったし」
「僕もだね」
「わかってくれたらいいよ」
「それじゃあね」
二人で話してだ、そしてだった。
記者はバッキーと甲子園のことと阪神のことを聞いた、そして阪神の試合を観たがその後でだった。
バッキーにだ、こう言った。
「君のピッチングがよかったし」
「パームが特にだよな」
「球場もね」
これ自体もというのだ。
「最高だよ」
「そうだろ、甲子園はな」
「最高の球場だね」
「それが日本の蔦だよ」
「そういうことだね、じゃあ覚えておくよ」
こうも言ったのだった。
「ただもう記者は引退しているから」
「記事には書かないか」
「知り合いに話しておくよ」
「わかったよ、じゃあまた機会があったら」
「会おう」
「そして話をしような」
バッキーは記者に笑って言った、記者は帰国してから甲子園のことを話した、アイビーグラウンドと。だがこちらは定着しなかった。阪神というチームはアメリカの野球ファンの間で知られているかも知れないが。
アイビーリーグ 完
2023・1・12
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