第一章
[2]次話
アイビーリーグ
ハーバード、イエール、ペンシルバニア、ブリンストン、コロンビア、ブラウン、ダートマス、コーネルのアメリカ北東部の八つの大学ではアメリカンフットボールのリーグ戦が行われている。このことはアメリカでは非常によく知られていることだ。
それでだ、このリーグを選手のレギュラー同士という意味でアイビーリーグと呼ぶ様になっていた。このこともアメリカで定着しているが。
ニューヨークのある新聞社の記者が上司に言われてこのリーグの記事を書くことになったがここでだった。
記者はそれぞれの大学を取材して上司である編集長に言った。
「何かです」
「どうしたんだ?」
編集長は若いブロンドの髪を丁寧にセットした青い目に細面の痩せた長身の彼に尋ねた。
「何かの後に来る言葉を聞きたいな」
「いや、今季は何処が優勝するか」
記者は上司に話した。
「私としては大体読めました」
「何処だ、そこは」
「プリンストンですね」
この大学だというのだ。
「優勝は」
「あそこか」
「はい、それぞれの大学を取材してです」
そうしてというのだ。
「思いました」
「今期のIーVーYはか」
「はい、INTERーVARSITYは」
レギュラー同士という意味で呼ばれるこのリーグはというのだ。
「私が見たところです」
「ブリンストンか」
「はい、あの大学です」
「そうか、そういえばだ」
編集長は記者の話を聞いて言った。
「あの大学の校舎には蔦が生い茂ってるな」
「そうですね」
「あの大学がそれをはじめてな」
校舎に蔦を這わせはじめてというのだ。
「他のリーグの大学もな」
「していますね」
「そう考えるとな」
「蔦のですね」
「リーグだな」
「あのリーグは」
「そうなるな」
「ですね」
言われてだ、記者も笑って応えた。
「面白いですね」
「レギュラー同士でなくな」
「蔦同士ですね」
「校舎に蔦が絡んでるからな」
「そうですよね」
二人で笑って話した、そしてだった。
記者は記事を書いたがこの時彼は編集長との話が頭に残っていたのでついだ。
リーグをIーV−Yではなくだ、リーグ同士という意味の。
蔦のイニシャルであるIVYと書いた、それで紙面に出したが。
読んだ者達はだ、こう言った。
「ああ、あのリーグな」
「蔦だよな」
「どの大学の校舎にも蔦があってな」
「絡んでるしな」
「それじゃあな」
「蔦のリーグだな」
「そうなるな」
こう話した、そしてだった。
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