第三章
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「そして見せかけの木の花の蜜だ」
「その三つを用意すればいいのか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「果物が出来るが」
「果物か」
「これが厄介なものでな」
その出来る果物はというのだ。
「外見は棘だらけでだ」
「棘だらけか」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「あまりにもきつい臭いだ」
「臭いもあるのか」
「そうだ、だが茹で卵の様な舌触りでな」
食べた時のことも話した。
「そしてクリームの様に甘く蜜の味がする」
「美味いのか」
「外見と臭いはそうしたものだが」
それでもというのだ。
「美味い、しかも食するとな」
「何かあるのか」
「若返る」
「そうなるのか」
「そうなる」
まさにというのだ。
「歳の差もな」
「それでか」
「なくなる、そしてだ」
仙人はさらに言った。
「残り半分をだ」
「それをか」
「奥方に食べさせるとな」
そうすればというのだ。
「尚いい」
「まさかと思うが」
「そのまさかか、そなたが若くなってだ」
そうしてというのだ。
「そこにさらに惚れるのだ」
「わしにか」
「そうなる、そなたが若くなり奥方がそなたに惚れれば」
「もう何も言うことはない」
「そうだな、ではその三つをだ」
「用意することか」
「まずはな、いいか」
「わあった、ではな」
バガニは仙人の言葉に頷いた、そうしてだった。
そのうえで彼が言ったものを揃えた、どれも珍しいものであったが部族の若者の一人でとびきりの冒険者がいてだった。
それでその者が全て揃えてくれた、バガニはその若者にこれ以上はないまでに褒美を弾んで結婚もさせた、そうしてだった。
その揃った三つのものを仙人に差し出した、すると仙人はすぐにだった。
あるものを作った、それは何かというと。
「何かと思ったが」
「この実だ」
「ドリアンか」
「そうだ」
「ううむ、只のドリアンではないか」
「わしがこの手で作ったな」
揃えた三つのものからというのだ。
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