第三章
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「どうかしら」
「いいと思うわ」
「これでね」
「これでいったら?」
「そうしたらいいと思うわ」
曲自体はいいと思った、それでだった。
他の部員達はいいとした、それで放課後のある日学校から許可を得てもうけた校庭のライブの場でだった。
その曲を歌って演奏するとだ、聴いた生徒達は驚いた。
「何だこの曲」
「えらくパンクだな」
「相手の人のこととことん愛してるな」
「もう頭の中その人のことで一杯だな」
「そんな感じの曲だな」
「これはそうだな」
「これは」
絵里奈のクラスメイト達はすぐにわかった、それで話した。
「間違いないわね」
「あの娘今ギターだけれどね」
見ればバンドでそこで演奏している、エレキギターを激しく奏でている。
「これはね」
「あの子が作ったわね」
「そうした曲ね」
「どう見てもそうね」
こう話した、その曲は本当に激しくかつ熱い想いを常に叫んでいるものであった。それで次の日だった。
絵里奈にだ、クラスメイト達は問うた。
「あんたの曲ってすぐにわかったわよ」
「作詞も作曲もね」
「おのろけなんてものじゃなかったわよ」
「ただひたすら彼のことが好きで」
「頭の中一杯で」
「それを曲にしたのね」
「そうなのよ、作詞作曲しようと思ったら」
そうしようと思ったらというのだ。
「本当にね」
「そうした曲になったのね」
「頭の中がそうだから」
「そうなったのね」
「いやあ、もうね」
ここでもだ、絵里奈は。
のろけきってだ、こう言ったのだった。
「頭の中彼のことで一杯だから」
「毎日デートしてるのよね」
「登下校の時」
「それで彼のお弁当も作って」
「一緒に食べてるのよね」
「そうしていてね」
それでというのだ。
「休日だってね」
「デートね」
「それ楽しんでるのね」
「そうなのね」
「お金ないけれど」
高校生でアルバイトをしていないなら親からのお小遣いだけだ、それでお金がある筈がない。
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