第一章
[2]次話
犬達のお気に入りのおもちゃ
アメリカロサンゼルスでペット関連の店を経営しているワット=シンドラー太った大柄なアフリカ系の初老の男である彼は。
常連のステーキハウスの店長ジュリー=ワトソン一八五の背にフットボーラーの様な体格で青い目と短いくすんだブロンドの髪の彼に言った。
「あれですね」
「うん、あれだよ」
ワトソンはシンドラーに笑顔で応えた。
「ドリスの為にね」
「今日も一緒ですね」
「ワン」
見ればだ、ワトソンの横にだ。
茶色で耳が立った口周りが黒い中型犬がいた、シンドラーはその犬を見てそのうえでワトソンに言った。
「ドリスは今日もですね」
「この通り元気だよ」
「ワンワン」
見れば尻尾を振っている、シンドラーもきらきらした黒い目で見ている。
そのドリス、雄の彼を見つつだ、ワトソンはシンドラーに言った。
「じゃああれをね」
「買いますね」
「一つね」
こう言ってだった。
彼は触ると音が出る犬の骨型のおもちゃ緑のそれを手にして。
カウンターのシンドラーのところに行って笑顔で言った。
「今日はこれを」
「どうも、しかし」
「しかし?」
「ドリスは本当にそのおもちゃが好きですね」
「そうだね、うちに来てね」
「それからですね」
「最初にこのお店に連れて来てから」
それからというのだ。
「もうね」
「最初にあのおもちゃをおねだりして」
「買ってね」
「それからですね」
「そのおもちゃで遊んで」
そしてというのだ。
「このお店に来たら」
「いつもおねだりしますね」
「それで気付けばだよ」
笑顔でだ、ワトソンはシンドラーに話した。
「もう二十五個もだよ」
「骨型のおもちゃ買ってますね」
「そして持ってるよ」
「一個も壊していないですね」
「それで捨ててないよ」
そうだというのだ。
「全くね」
「全部大事にしていますね」
「そうなんだよ」
こうシンドラーに話した。
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