第一章
[2]次話
ハッピーネクタイ
縁起を担いでだ。
八条オートバイ京都社企画部長仁科行雄は大事な仕事がある時はネイビーブルーのネクタイを着用して仕事に挑むのが常だった。それを見てだ。
「ああ、部長本気だな」
「今回特にやる気ね」
「普段から真面目な人だけれど」
「今回は特にね」
部下達もそのネクタイを見てわかる様になっていた、それで。
彼と共に働くが実際にだった。
仁科、長方形の顔で一直線の濃い眉を持って言えしっかりした目と唇を持ち黒髪をオールバックにしている一七〇位の均整の取れた体格の彼はその仕事を成功させた、それでだ。
京都社の社長だけでなく神戸の本社の社長からも評価されたが。
ここでだ、京都社の社長は彼に言った。
「君はここぞという時はね」
「今回の様にですか」
「そのネクタイだね」
ネイビーブルーのネクタイを見つつ彼自身に言った。
「そうだね」
「はい、このネクタイを着けて」
仁科自身こう社長である増田神酒白髪頭で温厚そうな顔立ちの力士の様な大柄な体格の彼に話した。
「若い頃からです」
「大事な仕事に挑んでるね」
「そうしています」
「見ればね」
増田はそのネクタイをさらに見て彼に話した。
「そのネクタイは結構ね」
「古いですね」
「そうだね」
「はい、結婚する時に」
仁科は増田に笑って話した。
「妻から貰ったもので」
「そうなんだね」
「結婚してすぐにあった大きなプロジェクトに参加した時に妻に着けていってと言われて」
それでというのだ。
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