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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう
第2章
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梅雨の合間の暑い日、僕は、グラウンドの除草作業で端っこのところで、強い日差しを浴びて、草をむしっていると
「シュウ君 暑いのにご苦労様」と、明るい声で・・・ななのちゃんだ。膝をさすりながら、側に寄ってきてくれた。
「おっ 帰ってきたのかー あれぇー その膝 どうしたの? 血が滲んでるよ」
「うん そこで 溝を飛び越える時、すべっちゃったー でも 平気だよ」
「平気だよじゃぁないだろー バイ菌が入ったら大変だよ 洗おう」と、ななのちゃんの手を握ろうとして、ホールの横にある水道のところに連れて行こうとしていた。だけど、ななのちゃんは咄嗟に手を引っ込めていた。でも、初めて触れるんだけど、ちっちゃくてキャシャな手で鶏のチューリップなんかの骨よりも細いなと感じた。
側溝を乗り越える時、繋いでいた手を放してしまった時
「いやだぁー 離したら・・」と、小さな声が聞こえた。
「エッ」と、振り向いたけど
「何でもない もう ええねん」と、下を向いて答えていた。
水道のところで待たせて、事務所からガーゼを持ち出して、擦り傷に付いている砂を洗おうと水に浸して触ると、ビクッとして細い腕で膝を隠すようにしていた。
「痛いよー もう ええってー」
「これっくらい我慢しろよ ちゃんと砂くらい落としておかないとなー」と、ななのちゃんの膝を支えながら、その時、彼女は震えて怯えている感じだったのだけど、僕は、その時、気に留めずに、汚れをふき取って傷テープを貼っておいた。
「よーし これで いいよ そうだ 今日は日差しも強いから、帽子貸してあげるから 被っておけよ」と、僕の被っていた麦藁帽を渡そうとすると
「いらん! 今日から あそこの建物の中で描こうと思ってんねん あそこやったら、雨でもあんまり濡れへんやろー」と、公園の端のほうにある屋根付きのベンチを指さしていた。
そこは、見晴らしとしては少し悪くって、僕の居るグラウンドからは見通しも良くないので、ななのちゃんの姿があんまり見ることが出来ないので、少し気になったが日差しを避けるためには仕方がないかと思っていた。
仕事の時間が空いた時に、僕は缶ジュースとパイ菓子をもって、ななのちゃんの様子を見に行った。相変わらず、景色を描いているようだった。
「暑くないかい? これ 差し入れ 休憩しなよ」
「ありがとう ちょっと 喉が渇いていたの」
「これからは 水分取らなきゃー 熱中症になるよ」
「そうだね 水筒持ってくる」
「もう直ぐ 梅雨があけて 夏休みだね ななのちゃんは家族でどっか出掛けるの?」
「・・・」ななのちゃんは黙ったまま、自分の足もとを見たまま下を向いていた。その時、長いまつ毛が濡れているような気がした。一
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