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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
経験不足
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ているもの全員が同じように感じていた。
(このストレートに照準を合わせてスプリットを拾うのは難しい。かといってその逆はもっと無理だろう)
真田からのサインはない。もうこの局面で彼にできることは何もない。それは彼女もわかっている。
(何としてでも打つ。もう一度陽香をマウンドに立たせるために)
春までバッテリーを組んできたチームの柱。それが居なくなって彼女の存在の大きさに気付かされた。そしてそんな彼女のために戦わねばらならないと。
(リュシーの言っていた通りだ。下級生に主力を取られているようではダメだ。このチームは
三年生
(
わたしたち
)
のチームなんだから)
塁上にいる一年生たちは全員が役割を果たした。この試合の全ての得点は二年生たちが叩き出してくれた。それなのにまだ三年生たちは何もできていない。そしてそれを返せるのはこの場面しかない。
(この状況でも集中力が落ちてない。となるとスプリットはやっぱり怖い。最後までストレートを貫くよ、ソフィ)
(大丈夫、絶対抑えてみせるよ)
スプリットに反応できている莉子にだがストレートにはまだ慣れていない。それならばとここもストレートを選択したバッテリー。
(ストレートの速度がどんどん上がってる。恐らく次のストレートも最速を出してくるだろう。そう考えるなら、スプリットを入れる必要はない)
対する莉子もさらに上がってくるソフィアのストレートに全てを賭けた。両者ともに選択した球種は同じ。そして自身の選択に相手も気が付いているだろうと二人の背番号2は気付いていた。
(それでも抑えられる。今のソフィなら)
(必ず打つ!!何としてでも!!)
選択の時は終わりソフィアが投球に入る。試合の決まるこの局面でも力みのない理想的な投球フォーム。そして自身の長い腕を最大限に利用しての角度の付いたリリースポジション。
(最後は外角。インコースを続けた後ならより遠くに感じるでしょ?)
渾身の腕の振りから放たれたストレート。右サイドハンドの特徴をもっとも生かせる右打者のアウトロー。彼女の投じた投球は完璧だった。そしてその要求をしたリュシーの判断も。
ただ一つ、彼女たちには一つだけ落ち度があった。
((外角の
ストライク
(
・・・・・
)
ゾーンで仕留める))
カウントは2ボール2ストライク。まだボール球に余裕があった。しかし彼女たちにはそれを生かすほどの余裕を持ち合わせていなかった。
この大会で初めてバッテリーを組んだ二人。野球後進国から来たことにより経験の不足、全試合をコールドで勝ち進んできたことにより追い詰められた状況への慣れのなさ。
さらには2アウト満塁でフルカウントになれば次の投球はランナーがスタートする。そうなれば2ベースで一気に同点にさ
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