265 鉄と羽衣の攻防
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て鉄の壁を念力でどかした。しかし、その場にスターリンもエカチェリーナもいなかった。そこに破れた羽衣と一丁の短刀があった。
「この短刀を使って羽衣を無理矢理破って逃げたのか・・・」
奏子は羽衣を見て絶句した。
(エレーヌさんから貰った羽衣がこんな・・・)
奏子は自分の得物として使い続けてきたこの羽衣がこんな事されるとは思いもしなかった。その時、羽衣が光り出した。
「・・・え?」
羽衣が治ったのだった。
「羽衣が治った・・・」
「徳林さん、よかったじゃねえか。先行こうぜ」
「うん」
奏子は皆を乗せて杯の所有者の捜索へ進んだ。
藤木とりえは遊女達と庭で綱引きして遊んでいた。
「ああっ!」
藤木やりえと対抗していた遊女達が尻餅をついた。
「負けちゃいました・・・。茂様は力がお強いですね〜」
「いやあ、そんな事ないよ・・・」
「・・・う、ごほっ、ごほっ・・・」
りえが咳き込んでいた。
「りえちゃん、大丈夫かい?」
「え?あ、うん・・・」
「ちょっと休憩にしようよ。りえちゃんが辛そうなんだ」
「はい、それでは」
皆は屋敷の中に入った。りえは部屋に戻り寝台に寝かされる事になった。
「りえちゃん、ゆっくり休んでてね」
「うん、ありがとう」
藤木は一人にしてあげたほうがいいかと思って部屋を出ようと思った。
「あ、その・・・」
「え?」
「この世界には雪が積もっている山があるんだ。そこには氷が張ってる所もあってスケートができるんだ!今度そこに行って僕のスケートのジャンプやスピンを見せてあげるよ!」
「うん、楽しみねっ!」
藤木はりえが喜んでいる様子を見て今すぐにでも見せたい気分だった。藤木は部屋を出た。その時、妲己がその場にいた。
「坊や、どうやら新婚生活ほやほやなそうだね」
「は、はい!それで・・・」
「ん?」
「ま、またあの雪山でスケートしに行きたいんです。りえちゃんにも僕のスケート姿を見せたいなって思って・・・」
「そうか、いいとも。明日行ってみようではないか。ここの娘達も坊やのその滑る姿に虜になっていたようだからな。きっと安藤りえ嬢も見惚れるかもしれないわね」
「はい!」
藤木は明日を楽しみにするのであった。
フローレンスは捕虜とした西川と佐々木を連れて平和を正義とする世界と戦争を正義とする世界の中央部の境界へと向かう。
(こちらも一度敵を欺いています身ですからあっさり要求を呑みますとは思っていませんが・・・。向こうも私達の要求に応じますフリをしますに違いありません・・・)
戦争を正義とする世界の長・レーニンは次の作戦への遂行を進める。
(杖の所有者・山田かよ子よ・・・。貴様は今の杉山さとしに会ったらなんて思うか・・・?)
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