第七話 沖縄その十一
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「これより」
「それではね」
「僕も飲んでいいのかな」
??は仲間達の話を聞いてどうかと尋ねた。
「お酒を」
「勿論よ、貴方も地の龍だからね」
「皆と同じ」
「だからよ」
庚は??に優しく微笑んで話した。
「楽しんでね」
「それじゃあ」
「若し飲み過ぎて酔ったら」
庚はその場合についても話した。
「送ってあげるわ」
「お祖父様のところまで」
「貴方は今もあちらがお家ね」
「うん」
その通りだとだ、庚に答えた。
「最近帰るのが遅いけれど」
「あちらまで送るわ」
「そうしてくれるんだ」
「だからね」
それでというのだ。
「これからね」
「ワイン飲んでいいんだ」
「好きなだけね、いいわね」
「それじゃあ」
??も頷いた、そしてだった。
彼も飲んだ、それもかなり。それで庚が言った通りに酔ったが庚は車を用意させてそうしてだった。
彼を塔城家の屋敷に送った、すると。
彼を出迎えた祖父は驚いて言った。
「霞月、酔っているのか」
「皆と一緒に飲んで」
「そうか、お前も飲む様になったか」
「駄目かな」
「いや、いい」
孫である彼に微笑んで応えた。
「お前も人と交わったか」
「一緒に飲んで楽しかった」
「なら尚更いい」
祖父は??の言葉を聞いて顔を綻ばせて述べた。
「これからもだ」
「こうしてなんだ」
「人と交わってだ」
その様にしてというのだ。
「絆を築き人を知ることだ」
「僕は」
??は祖父の話を聞いてこう返した。
「地の龍の一人で」
「人間を滅ぼすか」
「だから」
「人と交わってもだな」
「そうしても」
「それでもだ」
祖父は顔を綻ばせたままさらに話した。
「これからもだ」
「人と交わるべきなんだ」
「確かにお前は地の龍の一人だ」
祖父もこのことは否定しなかった。
「人間を滅ぼすことが役目だ」
「そうだね」
「しかしだ」
それでもというのだ。
「それ以前にお前は人間だ」
「僕は」
「だからな、これからもな」
「皆と交わって」
「人を知ることだ」
そうすべきだというのだ。
「そして絆もな」
「築いていくことなんだ」
「そうだ、そしてな」
そのうえでというのだ。
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