五話
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も、徐々にその鋭さを増している様に感じる。
(さて、どうするか)
目が役に立たず、耳も駄目。それなら頼るものはただ一つ。そのための一手も既に準備は出来ている。後は決められるかどうか。それにかかっている。しかし、正直なところ今の再不斬を捕える自信がカカシには無い。それならば……
(最後の頼みは……って奴か。あんまり頼りたくはないんだが)
状況はそうもいっていられない。今も、反応しきれなかった斬撃がカカシの脇腹を僅かに抉った。そう遠くない内に、カカシは自分が両断される姿を幻視する。
それを見てからのカカシの決断は早かった。最後の頼み……所謂”勘”を信じて、手に持った球体を左後方へと投げ放った。
(何だ?)
再不斬の優れた聴覚は飛来する何かをしっかりと感じ取っていた。考えるまでもなく、カカシが投じたであろう物体。それが自分の居場所を特定するための何かであることを警戒した再不斬は強い衝撃を与えないよう細心の注意を払いながら受け止め、遠くへと放り投げる……つもりだった。
「!?」
しかし、予想に反して物体は再不斬の手に触れる直前で自壊した。崩壊した物体から漏れだす煙。そして、その煙から漂う独特な臭いから、再不斬は予想通りこれが追跡用の臭い付けであることを察する。
「チッ!」
臭い付けを受けてしまうのは想定外だったが、我を失うほどではない。再不斬はすぐさま対処を行うために一端カカシから離れ、臭いを洗い流すための水を用意すべく印を組み始める。
臭いを嗅ぎ取ってかカカシが此方へ向かってきているのは重々承知だったが、それでも再不斬の方が早い。印を組み終え、口から吐き出した水を操作して頭からかぶる。そして、再び離脱。これで、また再不斬の有利に事が進む。
「甘いよ!」
転身。カカシが再不斬のいる方へと進行方向を変え、クナイで襲いかかる。ある程度はそれを予想していたのか、再不斬は難なくその一撃を大刀で受け止める。
「やっぱり、そう簡単には落ちねぇか」
「当然。それは木の葉の暗部が正式採用してる一品だ。そう簡単に臭いは落とせない」
「だがげせねえな。なぜ、俺が触れる前に爆ぜやがった?」
「あの容れ物は特性でね。チャクラに反応して自壊する。それも、ほんの微量のチャクラでな」
辺りに漂う霧は再不斬が忍術で発生させたもの。見た目は高濃度の霧だが、霧にはちゃんと術者である再不斬のチャクラが籠もっている。それに反応したというわけだ。さすがは、暗部が採用しているだけはあるといったところだろうか。
何にせよ、これで再不斬の有利は消え去った。目前にでもいない限り相手を視認できないのは先ほどまでと変わらないが、両者共に相手の一を掴む術がある
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