五話
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「ほう……白、次は前が行け」
「はい、再不斬さん」
「サスケ! お前がこの子の相手をしろ。サクラ、お前はタヅナさんの護衛だが、余裕があるなら機会があれば援護しろ!」
再不斬の指令を聞き動き出した白。カカシは白を迎え撃つのに最適と思われる指示を出し、目の前に残る再不斬に集中した。再不斬はそれを見て満足そうに浮かべると、再び印を結んだ。
――――霧隠れの術!
カカシと再不斬を中心に一層濃い霧が発生する。その濃度は数メートル先すら殆ど見えないほどだ。これこそが、再不斬が用意した写輪眼封じだ。確かに、この策は非常に有効だ。ただの霧だったのならば、写輪眼でチャクラを視認すればいい。だが、辺りに充満する霧は再不斬のチャクラで造り出されたものだ。これでは、再不斬の居場所を目で見つけることはできない。
「まずいな……」
更に言えば、再不斬は無音殺人術の達人だ。人一倍音に敏感だろう再不斬には、カカシが発する音によって居場所がバレバレだろう。
「これなら、その写輪眼も役に立たねぇだろ」
「さあ、どうだろうな」
とは言ったものの、先ほどの呟きも聞かれているだろうことから再不斬は己の策が正しかったと想っている事だろう。確かに、写輪眼の力は抑え込まれたといっていい。だが、勘違いしてはいけない。写輪眼はいまやカカシの代名詞にまでなったが、彼の強さはそれだけではない。
「っ!」
不意に背後から振り下ろされた首切り包丁の一撃をカカシは瞬時に取り出したクナイを持って弾き返した。
「防いだか」
声の元が特定されない独特な発声方法で発せられる声がカカシの耳に届く。さすが、というべきかその技法にも全くのブレは無く荒を探そうにも一行に見つけることは出来ない。
(もう少し、もう少しだ……)
晴れることない霧中を見つめ、カカシは反撃の時を待つ。
(妙だな……)
戦況は此方の有利。だが、相手には一向に焦りの色は見えず、それどころか落ち着いているふしすらある。いかなる状況でも冷静に。それは当然の志だが、やられる方はいい気はしない。まるで、お前程度の攻撃ならば何の問題もないと言われているようで。
(は、いいぜ。せいぜい落ち着いて。そして……)
――――泣き叫ぶ間もなく死んでいけ!
一度敗北をきっした再不斬には油断は無い。見られず、聞かれず、悟られず。手に持つ大刀を振り上げる。
一方、再不斬からは落ち着いて見えるカカシは実際には焦っていた。
(再不斬……本当の実力はこれほどか!)
一度つかみかけていたにも関わらず再び消えてしまった再不斬の気配。それだけではなく首切り包丁による攻撃
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