第六十六話 泳ぎながらその八
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「それでもよね」
「ええ、そうよ」
実際にというのだ。
「あと日本だった頃の半島のね」
「ソウルにもあったわね」
「それで台湾はね」
薊はこの島の話もした。
「あそこはもうね」
「中国の文化よね」
「だからね」
それでというのだ。
「街に行けばね」
「もう中華街よね」
「街自体がね」
台湾はというのだ。
「そうした場所よ」
「そうよね」
「実際台湾から来た華僑の人もいるし」
日本にもである、尚台湾人の中国語は広東語であるがこれは中国のそうした地域からの移民が多かったからだ。
「それでね」
「日本だった頃は」
「台湾のどの街もね」
「中華街ね」
「そう言ってよかったんだよ」
「そうだったわね、言われてみれば」
「そうだよ、それであたしはね」
薊は富美子に笑って話した。
「横浜の中華街によく行ったし」
「よく知ってるのね」
「そうなんだよ」
「それはいいわね」
「また言うけれど横浜の選手もいるから応援してね」
彼等もというのだ。
「いいね」
「阪神ファンでもいいのね」
「頑張れって言う位ならいいだろ」
「選手の人個人個人は」
「そうだろ、あたしだって阪神の選手でもね」
薊は明るい笑顔で話した。
「応援するしね」
「あんたもなのね」
「そうだよ、チームは応援しないけれど」
それでもというのだ。
「選手一人一人はね」
「応援してるのね」
「最近だと佐藤さんね」
「佐藤輝明さんね」
「三振多いけれどいいバッターだよね」
「ええ、今や阪神のスラッガーよ」
「あの人は好きだからね」
それでというのだ。
「応援してるよ」
「そうなのね、私は横浜の人だとね」
「誰好きなの?」
「監督の三浦さんよ」
彼がというのだ。
「三浦大輔さんね」
「あの人好きなの」
「ハマバンチョーさんね」
その彼だとだ。富美子は明るく笑って話した。
「関西の人だしね」
「ああ、あの人奈良県生まれだったね」
薊も三浦監督が関西出身と聞いて言った。
「実家お花屋さんで」
「高田商業からね」
「横浜に入ってね」
「活躍して」
「暗黒時代の時は孤軍奮闘して」
絶望的なその中でだ。
「チームを支えてくれたのよ」
「そうした人だったわね」
「巨人がいたから最下位にはならなかったけれど」
それこそ二十年連続でそうである、そしてその最下位はこれからも続くと誰もが断言している状況である。
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