第六十六話 泳ぎながらその七
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「やっぱり阪神がダントツで」
「逆に巨人が最下位でね」
今やかつての自称球界の盟主とやらは落ちぶれるところまで落ちぶれてそうなってしまっている、実力だけでなく人気も最下位なのだ。
「上から二番目がね」
「カープよね」
富美子は述べた。
「そうよね」
「必死にひたむきに野球してるから」
「それで皆応援したくなるのよね」
「あたしもわかるよ、あの野球への態度はね」
薊は明るく笑って述べた。
「素直に好きになるよ」
「横浜ファンから見ても」
「巨人はひたすら悪くてね」
まさに邪悪の権化である。
「観ていて成敗しないとってね」
「なるわよね」
「そんなチームだけれど」
「広島はね」
「お金に任せた昔の巨人みたいな補強はしないし」
これはチームの予算事情もあると噂されている。
「チームの雰囲気もね」
「野球に真剣でね」
「いいしね」
「それでなのよね」
「人気あるのよ、鯉女なんてね」
「そんな人達もいるし」
「女の人から見ても」
富美子は話した。
「カープってね」
「応援したくなるチームなのよね」
「私も嫌いじゃないしね」
富美子も笑って話した。
「阪神ファンから見ても」
「悪い印象ないわね」
「昔は散々負けたけれど」
暗黒時代は特にだ、阪神暗黒時代は長かったがその間ヤクルトそして広島には毎年随分負けていたのだ。
「それでもね」
「嫌いじゃないのね」
「むしろライバルってね」
その様にというのだ。
「思ってるわ」
「セリーグの中で」
「毎年シリーズではソフトバンクとかと戦ってるけれど」
それでもというのだ。
「セリーグでのライバルはね」
「阪神としてはカープなのね」
「落合さんの頃は中日だったけれど」
それでもというのだ。
「今はね」
「カープなんだね」
「私はそう思ってるわ」
こう薊に話した、二人で海の中で一緒に軽く泳ぎながらそのうえで話している。
「何処がライバルかっていうと」
「カープね」
「そうなるわ」
何と言ってもというのだ。
「いつも試合競り合いだしね」
「勝ち負けの数だってだね」
「競り合ってるから」
「そう思うんだね」
「ええ、優勝争いしていなくても」
そうしたシーズンでなくともというのだ。
「阪神のライバルはね」
「今はカープなんだね」
「そう思ってるわ」
「成程ね、あんたはそうなのね」
「そうなの、ただ広島には中華街なかったわね」
富美子はここでこちらの話に戻した。
「そうよね」
「ないわよ、だから日本にある中華街はね」
「横浜と神戸と」
「それで長崎よ」
「その三つね」
「他にはないのよ」
「昔は大阪にもあったけれど」
富美子は自分からこのことを話した。
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