第二章
[8]前話
「今度は私が入るから」
「それじゃあ」
「寝室で待っててね」
「そうするね」
「ええ、そうしてね」
こうした話をしてだった。
小五郎は寝室に向かった、ベッドで横になっている間夏織が何時来るのかと待ち遠しかった、そしてその彼女が白のティーシャツと黄色い半ズボン姿で部屋に入って来てだった。
それから二人で共に夜の時間を過ごしたが。
その後でだ、小五郎は隣に寝ている夏織に言われた。
「あの、私のお腹だけれど」
「ああ、あれだね」
「実は私ジムにいつも通っていて」
それでというのだ。
「休日も汗流してるけれど」
「だからなんだ」
「腹筋少し分かれてるの」
「そうなんだね」
「女の子らしくないわよね」
「いや、いいよ」
小五郎は笑って応えた。
「それ言ったら僕もだし」
「小五郎君引き締まってるけれど」
「中学から水泳部で今も毎日泳いでるから」
「それでなの」
「こうした身体だしね」
「お互い様っていうのね」
「うん、それに夏織ちゃんの全部が好きだから」
明るくて優しい性格もよく気が付くところも料理上手なところも小柄でスタイルがいいところもである。
「その中にお腹もね」
「入ってるの」
「今入ったよ」
笑顔で彼女に述べた。
「そうなったよ」
「それじゃあ」
「うん、これからも宜しくね」
「こちらこそね」
夏織は小五郎に笑顔で応えた、そしてだった。
二人は交際を続けやがて結婚したが。
二人の間に生まれた男の子、如水と名付けた彼を育てつつだ、夏織は自分のお腹を見て夫にこんなことを言った。
「あの分かれたお腹がね」
「妊娠したら膨らんでね」
「今はすっきりしてるわ」
「お腹ってどんどん変わるものだってわかったよ」
「ええ、じゃあすっきりしたし」
夏織は自分のお腹を見つつ話した。
「これからは産休終わって」
「会社に復帰して」
「如水を育てて家事して」
「ジムにもだね」
「また通って」
そうしてというのだ。
「腹筋復活させるわ」
「そうするんだね」
「ジム好きだから」
笑顔で言ってだった。
夫そっくりの顔の息子のおむつを替えた、その時の彼女のお腹は分かれてなかった、だが一年程すると分かれていてその一年後にはまた大きくなっていた。そして夫婦でまた形が変わったと笑顔で話した。
女の人の腹筋 完
2023・2・22
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