第二章
[8]前話
「身体つき自体は筋肉質だろ」
「ふわりだってそうなのよね」
百合子は目の前を自分達のペースに合わせて歩いている彼女を見つつ話した、見れば実に気持ちよさそうである。
「お散歩もドッグレースも水泳も好きで」
「跳んだり跳ねたりもな」
「身体動かすの大好きで」
それでというのだ。
「実は身体つきはね」
「筋肉質だな」
「太ってないわ」
「そうだな」
「お腹に脂肪もね」
これもというのだ。
「ないわ」
「そうだな、そんな風だからな」
「ふわりも力があるのね」
「身体全体にな」
そうだというのだ。
「これがな」
「そういう娘ね」
「そのことを覚えておいてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「一緒にいることね」
「ふわりにそれはないけれどな」
それでもとだ、洋介は百合子に話した。
「いきなり体当たりとかな」
「全速力でぶつかってきて」
「そうされるとな」
その時はというのだ。
「結構以上にな」
「痛いわよね」
「ああ、力があって筋肉質でな」
「しかもふわりって足速いしね」
「だからな」
そうした娘だからだというのだ。
「ぶつかられるとな」
「痛いのね」
「そうだ」
実際にというのだ。
「それでな」
「若し全速で向かってきたら注意ね」
「その時はな」
こう話すのだった。
「いいな」
「ええ、まともに受け止めないことね」
「かわすんだぞ」
「小さくても力あるから」
「ああ、ふわりはな」
こうした話をしつつだった。
夫婦でふわりの散歩をしていった、そして散歩が終わると。
「よし、足を拭いてからな」
「お家に上がりましょう」
「ワンワン」
ふわりは大人しく足を拭いてもらってからだった。
家に上がって自分からケージの中に入ってご飯を食べだした、そのご飯を食べる勢いもかなりのものでだ。
百合子はあらためて夫に言った。
「これだけ食べたらね」
「力があるのも当然だな」
「元気だしね」
「トイプードルはそうした犬だ」
「そういうことね」
夫の言葉に確かな顔で頷いた、そして水がなくなっていたのでそれをあげるとふわりはそちらも勢いよく飲んで、それを見てまたふわりが小さくても力が強いのは当然だと思った。
小さくてもパワフル 完
2023・2・22
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