第一章
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小さくてもパワフル
この時国咲家の主婦百合子は夫の文太と共に朝に夫の出勤前の家の愛犬ふわりの散歩をしていた。朝早く起きてそうしているが。
「ワンワン」
「あっ、ふわり先に行かないでね」
「ワン」
ふわりはリードを持つ百合子に言われるとだった。
すぐに歩く速さを遅くした、百合子はその彼女を見て隣にいる夫に言った。
「ふわりは言ったらね」
「すぐに聞いてくれるからな」
洋介も応えた。
「有り難いな」
「そうなのよね」
「頭がよくて性格もいい娘だからな」
だからだというのだ。
「ふわりはな」
「ちゃんと言った通りにしてくれるわね」
「本当にいい娘ね」
「全くだ」
「けれど」
ここでだ、百合子は夫にこうも言った。
「ふわりって小さいけれどね」
「トイプードルだからな」
「そのトイプードルの中でもね」
「ティーカップより少し大きい位のな」
「小さい方よね」
「ああ、体重も今三キロ位か」
「確かね」
前に測った時のことを思い出しつつ答えた。
「それ位よ」
「まあそれ以上はないな」
「大体ね、けれどね」
夫にそれでもと言うのだった。
「大きさの割に力大きいわね」
「そうだな」
夫も否定しなかった。
「俺もそう思う」
「そうよね」
「実際ふわりはな」
「力持ちよね」
「小さいけれどな」
身体はそうだがというのだ。
「その小ささから想像出来ない位な」
「力強いわよね」
「ああ」
その通りだと言うのだった。
「だからいきなりダッシュされるとな」
「思わず引きずられるわ」
「犬の散歩は気を付けないとな」
さもないと、というのだ。
「小さな犬でもな」
「引きずられるわね」
「そうなるんだ」
こう妻に話した。
「これがな」
「そうよね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「犬の散歩はな」
「気を抜けないわね」
「ふわりみたいな種類でもだよ」
トイプードルの中でも小さな子でもというのだ。
「注意が必要なんだよ、特にな」
「特に?」
「トイプードルは元々狩猟犬だろ」
妻にこのことも言うのだった。
「そうだろ」
「そうね、飼い主が撃った水鳥を捕まえに行って」
「お水の中に入ってな」
「泳ぎもして」
「それで撃たれて落ちた水鳥をな」
「咥えて飼い主のところに持って来るわね」
「泳ぐのにも力が必要でな」
身体のそれにというのだ。
「時には自分の身体から見て大きくて重い鳥もな」
「咥えて戻って来るわね」
「そうするからな」
だからだというのだ。
「トイプードルはな」
「力がある種類なのね」
「ああ、だから身体つきはな」
それはというと。
「毛が多くてな」
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