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イベリス
第八十六話 恋愛のダメージその七

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「もうね」
「本校の人より凄いですね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「殺してるだけにね」
「もう自分が下らない理由で殺されるって思うと」
「傍にいたくないでしょ」
「何があっても」
 咲も答えた。
「やっぱり」
「そうでしょ」
「殺されたくないですからね」
 咲はこうも言った。
「やっぱり」
「だからよ」
 また咲に言うのだった。
「あの兎みたいな人はね」
「誰からもですね」
「避けられるわ」
「まあおかしいですからね」
 咲はサイコパスをここではこう表現して述べた。
「平気で人殺すとか」
「罪悪感なしでしょ」
「だから汗かいちゃったで終わりなんですよね」
「綺麗でも可愛いいでもやっていいことと悪いことがあって」
「何か無垢とか純粋とか」
「それでも犯罪は駄目で」
 それでというのだ。
「特に殺人はね」
「重罪ですよね」
「それを平気でしたなら」
「もう立派なサイコパスでね」
「絶対に近寄ったら駄目ですね」
「そしてそんな人間になることは」 
 自分達がというのだ。
「間違ってもよ」
「なるべきじゃないですね」
「そう思うわ、どれだけ嫌いな相手から告白されても」
「気遣いは大事で」
「そのうえで断わって」
「殺すなんて論外ですね」
「そう思わない方がおかしいでしょ、本校の話にしても」
 先輩はそちらに話を戻してあらためて話した。
「相手のこと考えてないし」
「実際振られた人凄く傷付きましたね」
「別に自分がいじめられたりしてないでしょ」
「本当に告白されただけで」
「これも惚れたが悪いかよ」
 太宰のかちかち山の狸の今わの際の言葉がここでまた出た。
「それだけでそこまでするかってね」
「なって」
「そうした時もね」
「相手の人のことを考える、ですね」
「それが出来ないと嫌われるし」 
 そうなってというのだ。
「悪評って残るから」
「悪いことをしたら」
「悪事千里を走るでね」
 広く伝わってというのだ、事実一人の人間が犯した悪事は遠く離れたところでも語られることが
ままにしてある。
「そしてずっとよ」
「言われるんですね」
「人の噂も七十五日っていうけれど」
「七十五日どころじゃないですね」
「悪事はね」
「ずっと言われるんですね」
「人は見ていてね」
 そうしてというのだ。
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