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展覧会の絵
最終話 幸せな絵その三
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「そうしてるけれどね」
「それでよ。腹筋が強くなってるから」
「だからそれがランニングにも影響しているんだ」
「走るのも全身だからね」
「脚だけじゃないっていうんだね」
「そう。だからよ」
 それに故にだとだ。雅は走りながら猛に話す。十字はその彼等を見ているが雅は猛に追いつくのがやっとという感じだった。
「ううん、腹筋なんだ」
「そう。腹筋も大事だからね」
「そういえば空手自体の動きも」
「腹筋が強いと違うから」
「お腹は彼等の中心だからかな」
「そう。それでなのよ」
 雅はこう話す。
「腹筋も鍛えると余計に速くなるのよ。あとね」
「あと?」
「トレーニングの後に身体をよくほぐしてるでしょ」
 猛はストレッチも熱心にやっている。それがさらにいいというのだ。
「それもいいのよ」
「ああ、トレーニングの前と後は身体をほぐさないとね」
「怪我をするし疲れも溜まらないから」
「成程ね。全部地味なことだけれど」
「地味なことでもこつこつ。それがね」
「いいんだね」
「そう。いいのよ」
 微笑んで話す雅だった。そして。
 猛に今度はこんなことを話したのだった。
「後、今度の日曜だけれど」
「デート?」
「そう、デートのことだけれど」
「何処に行こうかな、今度は」
「プールに行かない?」
 雅からだ。猛をその場所に誘った。
「プールに行こう。どうかしら」
「プールって。けれど」
「水着?」
「そう。水着だけれど」
「私が水着になることがそんなに不思議?」
「いや、そうじゃないけれど」
 猛が言うのは水着だ。雅がそれを着ることが問題だというのだ。
「本当にいいの?」
「何言ってるのよ。泳ぐのもトレーニングのうちだし」
「まあそうだけれど」
「今更。水着位で」
 雅と猛の関係ならばだというのだ。
「騒ぐ程じゃないでしょ」
「それはそうだけれど」
「じゃあどうしてそこまで言うの?」
「うん。僕だけじゃないじゃない、雅の水着姿見るの」
 猛は今度はこのことを言った。
「それはちょっと」
「そんなに派手な水着持ってないわよ」
「どんな水着着てくるつもりなの?」
「競泳水着だけれど」
 ビキニの様に露出が多いものではなかった。だがだった。
 猛は競泳水着と聞いてだ。こう雅に返したのだった。
「いや、それは」
「駄目?」
「競泳水着って体型がはっきり出るんだよ」
 機能性を重視して作られているが為に身体にぴっしりと付くからだ。競泳水着がスタイルがはっきり出てしまうのは必然性であると言えるのだ。
「だから雅のスタイルが他の皆に見られるのは」
「嫌?
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