第七話 沖縄その一
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第七話 沖縄
神威は東京から沖縄に引っ越した、母と共に。
するとだ、すぐにだった。
「あいつ違うな」
「ああ、ヤマトンチューはああなんだな」
「俺達と雰囲気が違うぞ」
「どうもな」
「しかもな」
神威を見てひそひそとだ、小学校の誰もが話した。
「やたら頭いいしな」
「特に勉強していないのに」
「塾にも通ってないのに」
「足だって速いし」
「力だって強いしな」
「司狼いいか?」
ある者が彼に声をかけた。
「今度の野球の試合出てくれないか?」
「野球か」
「ああ、今うちのエースが足捻挫してな」
それでというのだ。
「試合出られなくて」
「代わりにか」
「そうしてくれるか?」
「わかった」
神威は無表情で応えた、そして試合に出るが。
マウンドのピッチングを見て誰もが唖然となった。
「高校生並だな」
「小学生の投げるボールじゃないぞ」
「身体小さめなのに化けものか?」
「あんなボール投げるなんてな」
そのボールは相手チームの誰もかすりもしなかった、そしてバッターボックスに立てばこの時はというと。
「またホームランか」
「四打席連続だな」
「しかも何で大きなホームランだ」
「物凄いスピードで百二十メートルは飛ばしたぞ」
「打つ方も小学生じゃないぞ」
「本当に化けものか」
これまた誰もが唖然となった、そして。
神威はスポーツでも有名になってだった、あらゆる試合で引っ張りだこになった。そして誰かに絡まれても。
「お前七人のチンピラのしたて?」
「喧嘩も強いのかよ」
「身体専門的にやってるのか?」
「そっちの助っ人にも行ったけれどな」
「いや、何も習ってない」
神威はこの時も無表情で答えた。
「何もな」
「それで七人ものしたのよ」
「元々強いのかよ」
「どんなスポーツでも凄くて」
「喧嘩もかよ」
誰もがこのことにも驚いた、それでだった。
多くの者が神威を凄いと言ったが中には。
「凄過ぎるな」
「ああ、何に対してもな」
「化けものみたいだな」
「ヤマトンチューってあんなのばかりか?」
「いや、あいつは特別だろ」
「あいつだけのことだろ」
こう話してだ。
彼を怖れる者も出た、それは中学に入ってもであり。
神威は野球部に入ったがそこでも活躍し。
「一年からレギュラーだな」
「ああ、ピッチャーだ」
「打順は四番だ」
「あいつじゃなくて誰がそうなるんだ」
「あいつがいてよかったぜ」
部員達は誰もがその能力を認めた、だがここでもだった。
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