第一章
[2]次話
青ペン先生
美作リリアはとある中学で英語の先生をしている、名前からわかる通りハーフであり母親はアメリカ人だ。
母親譲りのブロンドでショートヘアにしていて顔立ちも彫がある。黒い目で背は一六二位で抜群のスタイルの持ち主でもある。
授業は上手で明るく気さくな先生として生徒からの評判もいい、だが彼女は生徒達に不思議に思われていることがあった。
「テストの採点おかしいよな」
「そうよね、赤ペン使わないのよね」
「いつも青ペンだよな」
「テストの採点って赤ペンでしょ」
「他にも訂正とかいつも青だしな」
「何で赤ペン使わないのかしら」
「不思議だよな」
生徒達はこのことを不思議に思っていた、それでだ。
その話を聞いた新任の先生がリリア自身に尋ねた。
「生徒の子達が言ってますよ」
「私のことで、ですか」
「はい、テストの採点のことで」
「ああ、そのことですね」
リリア自身もそれはと察して応えた。
「私がどうして赤ペンを使わないのか」
「青ペン使われてますよね」
「はい」
その通りだとだ、リリアも答えた。
「そうしています」
「何か理由があるんですか?」
「私ちょっと色弱で」
リリアはあっさりとした口調で答えた。
「赤緑色盲なんです」
「そうなんですか」
「あまり強くなくてある程度はわかりますが」
それでもというのだ。
「やっぱり不便な時がありまして」
「それで、ですか」
「赤ペンは使わないんです」
「そうなんですね」
「他のことでもです」
「ペン以外のことでもですか」
「はい、そのことはです」
リリアは新任の先生に笑顔で話した。
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