第一章
[2]次話
横領していたのは誰か
今この企業では深刻な問題が水面下で言われていた、社長の奥平将高は社内の社長席において難しい顔で座っていた。長方形の顔で細い目の勝負師の様な顔立ちで黒髪を短くしている。大柄で逞しい身体だ。
その彼がだ、座ったまま言うのだった。
「幾ら計算してもな」
「計算が合わないですね」
専務で娘の三枝子が応えた、きりっとした顔立ちで顎がすっきりとしている。セットした黒髪には光沢があり一六七程の背で膝までのグレーのスーツとタイトスカートに似合うスタイルだ。今は社内なので社長と専務の関係である。
「会社の収益と」
「この十年辺りずっとな」
「数百万ずつ足りないですね」
「これはな」
「はい、誰か横領しています」
「だとすると誰だ」
奥平は専務に問うた。
「それが問題だな」
「取引先の状況を確認しましょう」
三枝子はこう提案した。
「そうしましょう」
「取引先か」
「一見普通の取引先を書いていても」
それでもというのだ。
「その実架空企業ということもです」
「ああ、それはあるな」
奥平もそれはと答えた。
「確かに」
「そうですね」
「取引で使ったりとかな」
「あと経理の収支を少しずつでも誤魔化したり」
その様にしてとだ、三枝子はこの場合も話した。
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