第二章
[8]前話
「そうなったらもう」
「お菓子食べられないですよね」
「歯が悪くなると」
「それどころじゃないですね」
「だから」
それでというのだ。
「俺はトレーニングで太り過ぎない様にして」
「摂った分の糖分は消費して」
「太り過ぎない様にして」
「糖尿病にもならない」
「そうなる様に気をつけて」
「それでだよ」
そのうえでというのだ。
「歯磨きは何があってもな」
「寝る前は、ですね」
「磨く」
「それもしっかりと」
「そうしてますね」
「そうさ、お菓子を食べるなら」
評論家までしているならというのだ。
「もうな」
「歯磨きは忘れるな」
「絶対に」
「そのうえで食べろ」
「そうですね」
「そうであってこそ長く食べられるんだよ」
会社の中でもこう言うのだった。
それでお菓子を食べ続けているが実際にだ。
夜寝る前は絶対に磨いた、それで磨いてから妻に言った。
「よし、磨いたな」
「ええ、しっかりとね」
二人共ベッドの上でパジャマ姿だ、そのうえで話していた。
「磨いたわ」
「こうしないとな」
「虫歯になるからね」
「歯周病もあるしな」
「兎に角ね」
「歯は大事だ」
「何よりもね」
「食べる特にな」
妻に真面目な顔で話した。
「お菓子をな」
「ずっと食べようと思ったら」
「その時はな」
まさにというのだ。
「歯は大事だよ」
「歯磨きをしないとね」
「歯がボロボロになって」
「お菓子どころじゃないわよ」
「ああ、だから」
それでというのだ。
「今日も磨いたし」
「明日もな」
「そしてそれからも」
まさにと言うのだった。
「磨いていこうな」
「お菓子を食べる為にね」
「俺はお菓子会社の人間でな」
「お菓子評論家でもあるから」
「お菓子を食べるのが仕事だ」
「そうよね」
「会社じゃ総務だけれどな」
働いている部署はそこだがというのだ。
「けれどな」
「お菓子会社だしね」
「だからな」
それでと言うのだった。
「実際食ってるしな」
「しかも評論家だから」
「食う、だからな」
「歯はね」
「しっかりと磨いていくな」
確かな笑顔で言ってだった。
妻と共に歯を磨いた、そうしていつも健康な歯を守ってそのうえでお菓子を食べていった。そのうえで会社の仕事も評論家の仕事も頑張っていった。
お菓子評論家の嗜み 完
2023・2.20
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