第一章
[2]次話
お菓子評論家の嗜み
武藤克道はお菓子会社に務めながら会社の許可を得てお菓子評論家をしている、主に素性を隠して自社のお菓子を食べて自分と妻の亜澄と共に運営しているサイトでお菓子の評価を行っていてそちらの広告収入を得ていて雑誌に連載を持ち時々テレビにも出ているが。
いつもお菓子を食べていることを自覚してトレーニングに励むと共に。
子供達にだ、いつも言っていた。
「歯をな」
「磨かないとだね」
「駄目なんだね」
「そうだ」
まだ小さい息子の誠一にも娘の里奈にも話した、息子は細い目で四角い顔と薄い唇の彼にそっくりで娘は大きな丸い目と大きな口とホームベース型の顔が母そっくりだ。ただし二人共子供なのでまだ小さい。克道は一七七の背で太めの体格で亜澄は一六〇程の背で二人共痩せている。克道はオールバックで亜澄は茶色のロングヘアである。
「お前達もお菓子食べてるけれどな」
「お父さんとお母さんに貰って」
「分けてもらってね」
「食べるのはいいんだ」
お菓子をというのだ。
「それでも食べた分は運動してな」
「太り過ぎない様にして」
「それでなんだ」
「歯はしっかりとな」
子供達に強い声で話した。
「磨かないと駄目だぞ」
「さもないと虫歯になるね」
「そうだね」
「そうだよ、虫歯になれば」
その時はというのだ。
「駄目だからな」
「歯は大事だよね」
「そうよね」
「そうだ、だからいいな」
真面目に言うのだった。
「しっかり磨くんだぞ」
「寝る前にはね」
「そうしないとね」
「後で大変だからな」
こう言って自らだった。
歯を磨いた、妻と共に毎晩そうした。それでだった。
会社でもだ、よく同僚達に言われていた。
「いつも健康ですね」
「歯が奇麗ですね」
「お菓子食べても」
「それでも」
「いや、本当に気を付けてるんだよ」
真顔でだ、彼は言ったのだった。
「俺にしても」
「歯を磨いてるんですよね」
「毎日」
「しっかりと」
「うん、寝る前には」
何と言ってもというのだ。
「絶対に忘れないで」
「歯を磨いて」
「それから寝るんですね」
「そうしているんですね」
「そうだよ、さもないと」
歯磨きを怠ると、というのだ。
「お菓子ばかり食べてるからな」
「歯にきますよね」
「絶対に」
「あっという間に虫歯になって」
「それで、ですね」
「ボロボロになるからな」
歯がというのだ。
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