第六百八十六話 カラフルにふんだんにその十一
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「昔土粥なんてあったらしいけれど」
「飢饉の時に食べたらしいわね」
天明の飢饉の時の日本で食べていたという。
「どうも」
「それはあっても」
「砂はね」
「どうしても食べられないから」
これはというのだ。
「それでね」
「砂はないわね」
「それに魔女なんて」
シッドはこちらの話もした。
「とてもね」
「食べられたものじゃないわね」
「どう見てもまずそうだね」
魔女はというのだ。
「お鼻が曲がって皺だらけのお婆さんなんか」
「食べてもね」
「骨と皮ばかりで」
「まずいなんてものじゃないでしょうね」
「人間を食べること自体アウトだしね」
「人間ってまずいってね」
カニバリズムの話はこの時代にも残っている、ただし飢餓で食べる者は流石に遭難等あくまで稀で普通は相当な狂人位しかその様なことはしない。
「言われてるしね」
「そうみたいだね」
「その中でも魔女は」
それこそというのだ。
「皺だらけのお婆さんで」
「絶対にまずいね」
「食べられたものでないでしょうね」
確実にというのだ。
「魔女なんて」
「どう考えてもね」
「煮ても焼いてもね」
どの様にしてもというのだ。
「まず過ぎて」
「食べられないね」
「ええ、ただそれはね」
ここでメアリーはこうも言った。
「貴族もそうよね」
「ああ、エウロパ貴族だね」
「あいつ等だね」
トムもシッドも同時に言った。
「あいつ等はそうだね」
「もう煮ても焼いても食えないね」
「実際に食べてもまずそうだね」
「何よりもね」
「人間食べるのなんて問題外だけれど」
それでもとだ、メアリーも話した。
「エウロパ貴族ってね」
「その中でもだよね」
「滅茶苦茶まずそうだよね」
「どいつもこいつもね」
「相当まずいに決まってるよ」
「豚や牛があるなら」
それならというのだ。
「それ食べればいいしお野菜とか果物もあるし」
「お魚もあるし」
「お豆だってね」
「パンやお米もある」
「だったらね」
「あんなの食べろて言われても」
トムとシッドに話した。
「願い下げよ」
「全くだよ」
トムははっきりとした声で答えた。
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