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神々の塔
第五話 一体ずつその十一

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「ほんまに」
「まさか神に楽に勝てると思っていたか」
「それはなかったけど」
「今あらためてだな」
「思ったわ、大変な戦やった」
「そう言うのだな」
「ほんまにな、しかしこれで」
「そうだ、我等四霊獣を倒したのだ」
 それを適えたというのだ。
「先に行くといい」
「ほなやね」
「この先にも神霊達が待っている」
 そこにもというのだ。
「頂上まであらゆる神霊達が待っている、その者達に全て勝ち」
「頂上にやね」
「至れ、よいな」
「それが目的やしね」
「目的ならば適えるな」
「そうせなあかんね」
「その通りだ、ではだ」
「これからやね」
「先に進め」
 即ち塔を登れというのだ。
「よいな」
「ほなそうするわ」
 こう話してそうしてだった。
 綾乃は青龍とのやり取りを終えた、彼を含めた四霊獣達はもう彼等に対して何もしなかった。その彼等を見つつだ。
 メルヴィルは明るく笑ってだ、仲間達に話した。
「ほな一階はこれで終わったし」
「ああ、二階にな」
「進もうな、また神様が出て来るかも知れんが」
 施に応えて言うのだった。
「その神様にもな」
「勝とうな」
「そうしよな」
「そういえば体力も気力も全快してるな」
 このことを言ったのは羅だった。
「そうなってるな」
「ああ、神霊との戦に勝ったらやな」
 トウェインがこれはという顔で応えた。
「それでやな」
「そうなるみたいやな」
「これは有り難いな」
「ああ、正直神霊は強い」 
 文句なしにという言葉だった。
「一戦一戦が極限や」
「そやからやな」
「戦が終わると体力と気力が全快するのはな」
 このことはというのだ。
「ほんまにな」
「有り難いな」
「ああ、ほなな」
「全快の状態でやな」
「さらにや」
 まさにというのだ。
「先にな」
「進むな」
「そうするで、冒険ははじまったばかりや」
 四霊獣、彼等を倒してもというのだ。
「まだ入り口を超えただけや」
「あと何万階もあって」 
 綾乃も言ってきた。
「それでやね」
「その中で多くの神霊達との戦いがあるからな」
「ほんまやね」
「はじまったばかりでな」
 それでというのだ。
「これからな」
「先にやね」
「進んでくで」
「そうしてこな」
「ああ、十人でな」
「ほなそういうことで」
 綾乃はいつもの笑顔で応えた、そうしてだった。
 十人で二階への階段に足を踏み入れた、神霊達との戦いはまだはじまったばかりだった。彼等はそのことを実感しつつそうしたのだった。


第五話   完


                     2022・12・8
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