第六十六話 泳ぎながらその六
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「嫌になるわ」
「誰だってね」
「だからよね」
「選手の人達のプライベートはね」
「ちゃんと守ることね」
「精々応援でね」
それでというのだ。
「終わっておくべきよ」
「頑張って下さいね」
「ええ、それが礼儀よ」
まさにというのだ。
「それ位でね」
「終わって」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「あたし達もだよ」
「プライベート楽しむことね
「そうだよ、横浜の中華街でもね」
「そうね、あんたの言う通りね」
富美子は薊を正しいとして答えた。
「そのことは」
「そうだろ」
「関西そこ曖昧だけれど」
「阪神ファンの人達はだね」
「すぐに私あんた知ってるってね」
「言うね」
「関西の人って距離近いから」
人と人のそれがというのだ。
「だからすぐにね」
「阪神の選手にもそう言うのね」
「その人が知っていたら」
それならというのだ。
「相手の選手の人が知っていなくても」
「知ってるってなるんだね」
「そうなってね」
「声かけるのね」
「そうなのよ、関西だとね」
富美子は薊に話した。
「そこは広島と違うわね」
「広島も距離近いけれどね」
「怒るのと親しく声かけるのじゃね」
「やっぱり違うね、ただね」
薊は笑ってこうも言った。
「広島の人達ってカープ好きなのよ」
「もうカープ命よね」
「そうした人が多くてね」
「カープに本当に強くなって欲しいのね」
「ずっと弱かった時期があって」
昭和二十五年創設で昭和五十年初優勝である、この間忌まわしき邪悪読売ジャイアンツは嫌になるまで優勝している。
「それで樽募金までしてたし」
「お金なくてよね」
「存続の危機もあってね」
その歴史の中でだ。
「そうしたこともあったから」
「それでなのね」
「カープへの愛情が強いんだよ」
「だからそう言うのね」
「広島の誇りでもあるしね」
それ程のものでもあるというのだ。
「尚更だよ」
「選手の人にそうも言うのね」
「そうなんだよ、横浜ファンはね」
「そこまでじゃないの」
「とてもね」
薊は少し自嘲気味に答えた。
「広島ファンの人達には及ばないよ」
「その情熱は」
「最近阪神の次に人気あるそうだしね」
「そうみたいね、十二球団で一番は阪神で」
「二番目が広島ね」
「ソフトバンクも人気あるけれど」
パリーグのこのチームもというのだ。
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