第六十六話 泳ぎながらその五
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「だからね」
「そんなこと言ってもね」
「駄目だよ、それに遊ぶこともね」
「大事よね」
「広島は海軍も有名だけれどね」
薊は今度はこちらの話もした。
「横須賀のすぐ傍の横須賀と同じでね」
「海軍の街よね」
「今は海自さんのね」
「史跡研修で行くのよね、海自さんの学校に」
「みたいだね、幹部候補生学校にね」
「昔の兵学校の」
「それでその海軍もだよ」
帝国海軍もというのだ。
「猛訓練で有名でも」
「特に戦艦と航空隊が凄かったらしいわね」
「その人達でもだよ」
戦艦の訓練が地獄でありその戦艦の乗員が驚く程航空隊の訓練は激しくかつ厳しいものであったという。
「遊ぶ時はね」
「遊んでたのよね」
「いつも月月火水木金金じゃなかったよ」
「あれ戦闘中だけで」
「普段はね」
平時はというのだ、戦争のない。
「休日もね」
「あったわね」
「そうだったから」
「カープの選手の人達も」
「プライベートはね」
「遊んでいいわよね」
「そこで練習せんかは」
見掛けたら言うことはというのだ。
「流石にあたしもね」
「どうかって思うのね」
「ええ、カープの練習に比べたら」
伝統の猛練習と、というのだ。
「横浜なんてね」
「全然なの」
「一時期はね、暗黒時代なんて」
「今の親会社の前ね」
「もうその時なんてね」
それこそというのだ。
「いつも下は巨人ばかりで」
「あそこは二十年連続だからね」
勝率二割未満でだ、チーム得点だけでなく本塁打数もヒット数も盗塁数もチーム打率も銃に球団最低で防御率とエラー数は最悪であることも二十年連続である。
「それよりすぐ上ってことは」
「事実上最下位でしょ」
「あえて言うとね」
「そうでね」
それでというのだ。
「あたしも言うのよ」
「その頃の横浜と比べたら」
「カープはね」
「ずっと練習してるのね」
「比較にならないまでね」
こう富美子に話した。
「だからよ」
「そうしたことは言わないことね」
「よく練習してよく遊べでね」
「いいっていうのね」
「そうよ、野球漬けなんて」
プライベートもなくというのだ。
「誰だって嫌になるでしょ」
「それはね」
富美子も否定せず答えた。
「私だって吹奏楽とか勉強漬けだと」
「嫌になるでしょ」
「遊びもないと」
それこそというのだ。
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