第六十六話 泳ぎながらその四
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「それで出来てな」
「あったのね」
「そうらしいな」
「そうだったのね」
「中華街も歴史あるよな」
薊はしみじみとした口調で言った。
「考えてみたら」
「私達観光で行ったけれどね」
「一家でか」
「そうしたけれどね」
「まあそれでもな」
「そうした歴史もあるのね」
「それっであそこの中華街に行ったら」
横浜のというのだ。
「ベイスターズの選手もね」
「いたりするの」
「すぐそこが本拠地だからさ」
中華街のというのだ。
「横浜スタジアムな」
「あの球場も行ったわ」
富美子はこの球場についても笑って応えた。
「丁度阪神の試合あったから」
「今年も首位だね」
「ええ、巨人が最下位でね」
全人類普遍の敵であるこのチームは相変わらずである。
「それでね」
「そうだね、それで阪神その試合どうなったんだい?」
「負けたわ」
その試合ではとだ、富美子は答えた。
「残念だけれど」
「ああ、それはちょっとね」
薊も言葉がなかった。
「気を落とさないでね」
「勝敗は常だからいいわ、ただ中華街だと」
「そうだよ、選手の人達もいるから」
横浜ベイスターズのというのだ。
「よかったら応援をね」
「したらいいのね」
「ただサインはね」
こちらはというと。
「あくまでね」
「球場でよね」
「そこから出たらプライベートだよ」
選手の人達もというのだ。
「だからね」
「サインはねだらないことね」
「そうしないとね」
「そうよね、その線引きはね」
富美子もそれはと答えた。
「ちゃんとしないとね」
「グラウンドならいいけれどね」
「試合をしている時以外は」
「あとイベントの時も」
「その時もお仕事だから」
「いいんだよ」
サインをしてもらってもというのだ。
「別に、だからね」
「だから?」
「ここ広島だろ」
「広島県ってことね」
「広島っていったらね」
「ああ、カープね」
富美子は薊の言わんとしていることを察して答えた。
「あのチームね」
「カープの選手は大変らしいよ、街で遊んでたら」
「ああ、それ聞いたわ」
富美子はやや苦笑いになって答えた。
「広島の人達に怒られるのよね」
「練習せんかってね」
「遊んでる暇あったらね」
「そうしろってね」
「いや、練習はしてるでしょ」
富美子はそれはと答えた。
「ちゃんと」
「そもそもカープの猛練習って有名だよ」
薊はカープのこのことも話した、怪我人が多かった時期があった時はこれのせいではないかと言われていた程だ。
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