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冠婚葬祭が好きな理由
第二章

[8]前話
 従妹の結婚式に参加した、そして花嫁姿の彼女にお祝いの言葉とプレゼント贈ってそのうえでだった。
 式に参加して食事も楽しんだが。
 従妹の結婚相手を家族だけでなく親戚まで見て言った。
「大丈夫そうね、お相手の人達」
「身なりは確かで礼儀正しいからか」
「気品があってね、どの人も目の光がね」
 これがというのだ。
「いいから」
「目が濁ってるとな」
「悪い人ってね」
「よく言われるな」
 夫もそれはと話した。
「けれどか」
「お相手の人達は林檎農家で」
「真面目に働いている人達か」
「家族親戚全員でね」
「絵里ちゃんはそこに入るんだな」
「ならいいわ」
 自分そっくりの従妹を見ながらだった。
 有香は夫に話した、そしてだった。
 家に帰るとすぐに部屋義のジャージに着替えてお茶を飲んでくつろいだが夫はスラックスとシャツの格好になって彼女に問うた。
「お前冠婚葬祭いつも嬉しそうに行くがな」
「お葬式は流石にだけれどね」
「けれど出来るだけ参加する様にしてるな」
「そうしてるわね」
「何で冠婚葬祭好きなんだ」
 夫は妻に問うた。
「一体」
「冠婚葬祭ってハレの時じゃない」
 妻は笑って話した。
「普段と違ってね」
「ああ、それはな」
 夫もそれはと応えた。
「そうした時はな」
「まさにハレでしょ」
「ハレの時だからか」
「賑やかで明るい場だからよ」
「好きなんだな」
「皆着飾ってるしね、音楽も美味しいものもあって」
「そういうことか」
 夫もそう聞いて納得した。
「ハレが好きか」
「そうよ、だからまたこうしたことがあったら」
「参加出来たらか」
「参加させてもらいましょう」
「結婚式でもだな」
「何でもね」 
 こう夫に言ってだった。
 有香は彼にお茶だけでなくお茶菓子も出した、そのうえで二人で従妹の結婚式についてあらためて話したのだった。


冠婚葬祭が好きな理由   完


                  2023・2・18
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