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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜
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種に彼女のバットは当てることすらできず三振となる。
「あれ?」
スクイズと勘違いしたリュシーは三塁ランナーを迎え撃とうとするが明宝のサインはセーフティバントだったため、翔子は塁上に釘付け。ダブルプレーで試合終了とは行かなかったが、桜華はついにアウトカウントを残り一つまで漕ぎ着けた。
「二者連続三振……」
「これはいよいよかもね」
試合を観戦していた東英学園も絶体絶命のライバルを見てそう言葉を放つ。それもそのはず、打席に向かうのは小柄な少女なのだから。
「あいつ、ヒット打ってるっけ?」
「ヒットはないです。前の打席でも送りバントでしたし」
まともに当たっていない紗枝。しかし現段階で明宝には彼女に代われる打者はいない。
(もし陽香が試合に出れれば……なんて、考えても意味ないんだけどな)
その頃本部席では……
「ここで丹野さんか……決まっちゃったかも知れないわね」
皆が口に出さなかったことを平然と呟く佐々木。これに全員が視線を向けたが、誰もそれを咎めることはしない。なぜなら全員が同じように考えていたからだ。
「確かに丹野はここまでの感じだと打てるとは思えないけど……」
「万が一ということもありますし……」
完全に紗枝はこれまでの打席封じ込められている。一打席目こそいい当たりを出してはいたがそれは桜華の戦略の一つであるため一概に信じることはできない。
「いや……丹野ならワンチャンあるかもよ?」
そんな中一人違う見解をしているのはこの試合の勝者と当たる東英の監督である町田。その言葉に本部席にいた全員が驚愕した表情で視線を送る。
「どういうことですか?」
「あのストレートじゃあ小技も難しいんじゃないですか?」
栞里ですらセーフティバントも当てることもできなかった。紗枝はまだ一年生なこともありやはり実力は劣るところがある。そんな彼女がここまで二連続三振を奪っているソフィアからヒットをビジョンが見えてこない。
(こいつ……何か別のものでも見えているのか?)
如何なる手段を使って出塁するのか誰にも想像ができない。しかし町田はそんな面々とは違い、笑みを浮かべている。その表情からは何かに気付いたことを伺わせることは間違いなかった。
(ようやくあと一人。ソフィアのピッチングも完璧だし、このまま押し切れる)
打席に入る少女を見つつも気持ちは勝利に向かって舞い上がっていた。
(まだ油断しちゃいけないのは分かるけど、やっぱり気が緩んじゃうなぁ。でも、この子ははっきり言って怖くない
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