暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
リスク
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
となく打席へと向かう。

(このスピード感……付いていくのでやっとかも)

栞里自身打撃には自信がある。しかし、これだけの球速ではそれがどれだけ通用するか分からず、余裕がなかった彼女は伊織に視線を向けることができなかった。

「……」

全員が次の展開に意識が向いているそんな中、数少ない冷静さを保っていた男はサインを送る。そしてそれ相手の指揮官も気が付いていた。

(走らせてくるかぁ?牽制を挟めば刺せそうだが、この流れを変えるのは嫌だなぁ)

真田が何のサインを送ったのかおおよそ検討が付いたが、ここはあえてスルーする。両軍の指揮官が今できる最善手を打った初球、一塁ランナーの莉愛が二塁へと走る。

「ストライク!!」

全く警戒していなかったソフィアはクイックもしていなかったため楽々二塁へたどり着く莉愛。三塁ランナーの翔子は動いていなかったため、1アウト二、三塁となり明宝はチャンスが拡大する。

(気にしなくていいよね?)
(もちろん、こっちはもう三振しか狙ってないんだからよぉ)

ピンチが広がった桜華だったが焦りはない。もう彼女たちは腹を括っているのだ。

(もし投げてくれれば翔子の足なら返れるかと思ったが、もう気にしてないらしいな)

今塁上にいる二人を返してもリードがある桜華は二人のことを警戒するだけ無意味。それが分かってはいたものの、もしかしたら希望を抱いた真田だったが、それがうまくいかなかったことでより相手の頭のよさを痛感していた。

(もうこうなったら任せるしかない。何とかしろ、栞里)

初球は外角低めへのストレート。続く二球目は低めにスプリット落としてきたが、栞里は見極めることができず空振り。

「マジか……」

思わず声が出た。ストレートとスプリットの見極めができるかと思っていたがそれすら許さないほどに投球に勢いがある。次スプリットが来ても見送れる自信がなくなってしまった。

(監督)
(……セーフティか?)

打っては当たらない。そう感じた栞里は真田に助けを求め、彼はそれを察した。

(試していいぞ、翔子と莉愛は確実な時以外出るなよ)
(((了解)))

スクイズではない、ランナーがもう一人でなければ追い付くことすらできない。セーフティバントで転がったコースがいい場合のみ二人は進塁する。一縷の望みをかけた戦法だったが、このバッテリーはそれすら許さない。

(ストレート、高めに行こうか)
(おけまる!!)

セーフティバントを読んだわけではなかったが二人が選択したのは高めへのストレート。当然MAXの力で投じられたこれは伸びもこれまでと違う。

((((スクイズ!?))))

栞里の予想外の動きに内野手たちは慌てて反応していたが一番威力のある球
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ