第二章
[8]前話
「あの、親戚の人でもね」
「僕が女の人と話すとかな」
「あまりね」
その思い詰めた顔で言うのだった。
「そうだから」
「心配になるんだね」
「辛くなるから」
顔に暗いものを漂わせての言葉だった。
「お願いね」
「気をつけてるからね」
「ええ、それでだけれど」
そっとだ、自分からだった。
言葉は夫に近寄った、そして彼を抱き締めてから言った。
「浮気しない様に」
「今からだね」
「寝室行きましょう」
「それじゃあね」
「ええ、今日もね」
自分から夫の手を取ってだった。
共に寝室に入った、次の日満明は妻の法事のことを話すとこの時も彼の話を聞いていた部下はこう言った。
「それってヤンデレですよ」
「ああ、よく聞くあれなんだ」
「はい、課長の奥さん」
「そうなんだ、けれどそのヤンデレがね」
「いいんですか」
「可愛いよ、別に刺したりしないし」
部下にこの時も笑って話した。
「僕が好きでのことだし」
「それで可愛いですか」
「うん、僕も妻が好きだしね」
「だからいいんですか」
「妻がそれでもね」
「夜のこともあって」
「家事は万全だしね」
言葉はというのだ。
「文句はないよ、だからこれからもね」
「奥さんとですか」
「幸せに過ごしていくよ」
「そうですか、ヤンデレでもですか」
「可愛いと思えたらそれでいいんだよ」
部下に笑顔のまま話した、そして彼は実際に妻と幸せに過ごし続けた。やがて二人の間に娘が生まれたが彼女はよき母親にもなった。娘にはヤンデレは見せないので何も問題はなく一家は幸せなままであった。
ヤンデレ奥さんはかえって 完
2023・2・17
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