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ソバカスがあっても
第二章

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「確かにね」
「あんた成績もいいし部活の弓道部でも二段でレギュラーで」
 それでとだ、久美子は恭子のそうしたところも話した。
「親切だし真面目だし」
「いいの」
「そんなあんたでソバカスがどうとかいう奴なんて」
 それこそというのだ。
「もうね」
「大したことないの」
「そうよ、そんな奴の言うことは気にしないで」
 それでというのだ。
「堂々としていればいいのよ、私なんてね」
「あんたは?」
「チビよ」
 自分のことも言うのだった。
「ソバカスより言われるわよ」
「そうなの」
「誰でも何かとあるから」
 それでというのだ。
「いいわね」
「ソバカスなんてなのね」
「某キャンディ何とかの主人公みたいに」
「また古い漫画ね」
「けれどあの主人公も気にしてないし」
 そのソバカスをというのだ。
「いいわね」
「私もなのね」
「そうよ、そんなに気にしないことよ」
「そうなのね」
「ええ、もうね」
「そこまで言うなら」
 それならとだ、恭子もだ。
 一度試しにソバカスをメイクで隠さず登校して一日過ごしたが。
「誰も何もね」
「言わなかったでしょ」
「これといってね」
「そうよ、ソバカス位よ」
「何でもないの」
「だからね」
 それでというのだ。
「もう変に気にしないで」
「堂々としてればいいのね」
「あんた普通に滅茶苦茶美人だから」
 久美子はこうも言った。
「普通によ」
「やっていけばいいのね」
「そうよ、ソバカスあってもチビでも」
 久美子はまた自分のことを言った。
「やっていったらいいのよ」
「そうね、今日何も言われなかったしそうしてくわ」
 恭子は久美子の言葉に頷いた、そうしてだった。
 もうソバカスを隠さなかった、女性の身だしなみとしてメイクはしてそれで隠したがそれでもだった。
 家ではいつもソバカスのままだった、だがそれで家族夫にも子供達にも言われることはなかった。普通に美人と言われずっと友人でいる久美子にも言われた。


ソバカスがあっても   完


                   2023・2・16
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