第二章
[8]前話
「発狂していて」
「そのことをずっとね」
「気にしていたのよね」
「自分もそうなるかって」
「そうだったのよ」
「それで悩んでって説あるわね」
満里奈はさらに言った。
「自殺したって」
「そうでしょ」
「他にも色々説があるけれど」
「お母さんのことがね」
「それがなのね」
「芥川にとってはね」
「最大のコンプレックスだったのね」
加奈に対して述べた。
「そうだったのね」
「そうみたいよ」
「出っ歯よりも」
「そのことがね」
「成程ね、いや人間イケメンで頭よくて」
「教養あって大作家になってもね」
「何かしらあるってことよ」
加奈は満里奈に話した。
「芥川位でもそうだから」
「私達でもなのね」
「ヒトラーだってコンプレックスの塊だったし」
「若い頃はね」
「総統になってからもね」
それからもというのだ。
「ずっと持っていたから」
「そのコンプレックスを」
「平民出身だったり美大に落ちたり」
「そういうことね」
「実はそんなに成績も悪くなくて」
学校のそれがというのだ。
「背もね」
「結構高かったのよね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「あの人もそうだったし」
「誰もがあるものね」
「コンプレックスはね、そのことは知っておかないとね」
「本当にそうね」
自分達もとだ、満里奈も加奈も思いつつだ。
芥川のことを見ていった、整った顔立ちの文豪の写真だけでなく人生もまた。
歯が出ていても 完
2023・2・16
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