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展覧会の絵
第十六話 最後の審判その七
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てやそれ以上に教師として、そして不純な男のその下卑た誇りもだ。何もかもだった。
 二人のその純粋な絆の前に押さえ込まれた。彼の完全な敗北だった。
 望はその一郎にだ。また言ったのである。
「では俺達はこれで」
「先生、さようなら」
 春香も一郎に決別の言葉を告げた。
「では私はこれから」
「ちょっと用がありますから」
 こう言ってだ。何とか仮面に呆然となっているものを隠してそこに立っている一郎に別れを告げて。そのうえで二人の前を去ったのである。
 一郎はその場で呆然と立ったままだった。それはまるで抜け殻だった。
 二人は今確実に一歩踏み出していた。そしてそのまま進んでいた。十字はその一部始終を観たのである。
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