第八十五話 夕食もその十四
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そしてだ、兎はそれを逆手に取ったのである。
「悪質でもあるわ」
「かなりの凶悪犯ね」
「狸が惚れたが悪いかって言って」
溺れるその中でだ。
「死にそうな状況でも」
「平気だったのよね」
「それで殺して」
遂にそうしてだったのだ。
「汗かいちゃったでね」
「終わりね」
「もう罪悪感もね」
命それも自分に恋する相手のそれを奪ったことによるそれもというのだ。
「なかったのよ」
「色々怖いわね」
「そんなのだから」
「あの兎は悪質ね」
「犯罪者の中でもね」
「サイコパスの凶悪犯ね」
「平気で殺したね」
咲はまたこう言った。
「それよ」
「そんなの傍にいて欲しくないわね」
「私もよ、若し傍にいたら」
「逃げたいわよね」
「間違っても好きになったら」
その時はというと。
「狸に二の舞よ」
「そうなるわね」
「この作品って不細工な中年男が美少女に惚れたらどうなるか」
「そうしたお話ね」
「太宰はそれをテーマにして書いたみたいだけれど」
田中英光をモデルにしてだ。
「私はとんでもない相手を好きになったらどうなるか」
「痛い目見るって話ね」
「殺されなくてもね」
「痛い目は見るわね」
「神戸の本校の遠井さんみたいにね」
「やっぱりその人のことになるわね」
「本当に経緯がそっくりだからね」
だからだというのだ。
「私も思うのよ」
「変な女の人好きになって」
「洒落にならない位痛い目見るってね」
「そうなることが」
「こうしたお話他にもあると思うけれど」
神戸の本校以外でもというのだ。
「恋愛ってね」
「怖いわね」
「そうよね」
「変な人を好きになったら」
同級生も言った。
「地獄見るってことね」
「凄い教訓よね」
「人を好きになっても」
「それでもね」
「相手はちゃんと見て」
「それで好きになることね」
「告白もね」
それを行うにあたってもというのだ。
「どんな相手か見極めて」
「そのうえですることも」
「それをしないと」
「狸や本校の人みたいになって」
「地獄を味わうのよ」
「最悪殺されるわね」
その狸の様にというのだ。
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