第六話 封印その十一
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「わらわは最もよく知っています」
「それは」
「隠してもわかることです」
相手はこうも言うのだった。
「わらわにだけは」
「ですがそれでも」
「運命は変わりません、いえ変えさせません」
相手はまた言った。
「わらわが」
「どうしてもですか」
「はい、必ず」
あくまで言うのだった、丁はその相手と夢の中で話しつつ一人苦しんでいた。
神威は次の日の朝だった、自分から桃生家に行って玄関のチャイムを鳴らした、小鳥はチャイムの声を聞いてだった。
玄関に出た、そして神威を見て驚いた。
「神威ちゃん・・・・・・」
「一緒に学校に行かないか」
神威は微笑んで小鳥に申し出た。
「今から」
「ええ、朝ご飯は」
「もう食った」
「自分のお家で?」
「そうしてきた」
「そうなのね」
「ああ、それでだが」
神威は小鳥にあらためて申し出た。
「今からどうだ」
「一緒になのね」
「学校に行かないか」
また小鳥に言った。
「そうするか」
「ええ、わかったわ」
小鳥はもう制服姿だ、今から登校するつもりなのだ。
「それじゃあね」
「行くか。封真はいるか」
「お兄ちゃんは部活の朝練があるから」
それでというのだ。
「もうね」
「行ったか」
「そうなの、それじゃあ戸締りして」
「今はおじさんがおられないからな」
「それをして」
そうしてというのだ。
「それからね」
「行くか」
「そうしましょう」
こう話してだった。
小鳥は戸締りをしてから家を出た、だが。
ここでだ、こうも言った。
「お父さんがお家にいないと」
「駄目か」
「神社だからね」
「そうだな、神社やお寺はな」
「宗教関係の場所はね」
神威と共に歩きはじめつつ述べた。
「何時どなたが来られるかわからないから」
「だからだな」
「誰かがお家にいないと。修行中の人がおられるから」
「その人にか」
「来てもらおうかしら」
「それがいいな」
「じゃあ連絡しておくわね」
一旦家に入ってそうした、それから戻って神威に話した。
「連絡してきたわ、すぐに来てくれるそうよ」
「それは何よりだな」
「神主さんと巫女さんがね」
「女の人もか」
「ええ、それでお父さんがいない間は」
「ずっとか」
「神社にいてくれるそうだから」
それでというのだ。
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