第六話 封印その九
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「本当に」
「だからそれはだ」
「夢でわかるんだ」
「そうなる」
こう言うのだった。
「間もなくな」
「添え星か、俺は」
「そうだ、しかしな」
鏡護は息子にさらに話した。
「お前はお前だ、お前が小鳥それに神威を護りたいならな」
「そう思うとか」
「どんな立場でもだ」
「出来るか」
「そうだ、お前ということが変わらないなら」
そうであるならというのだ。
「必ずな」
「俺は父さんが何を言ってるかわからない」
残念そうに述べた。
「どうも、しかし」
「それでもか」
「小鳥と神威は護る」
「何があってもだな」
「そして俺がどんなことになってもな」
それでもというのだ。
「そうする」
「そう想い続けているなら問題はない」
「俺がどうなってもか」
「そうだ、護れ」
何としてもというのだ。
「二人をな」
「そうする」
「その言葉確かに聞いた。ではわしはな」
鏡護は封真とここまで話して微笑んで言った。
「傷の回復に努める」
「うん、そうしてくれ」
封真も是非にと答えた。
「父さんも」
「命に別状はなくとも受けた傷は大きいからな」
だからだというのだ。
「わしはな」
「これからはか」
「もう話すことはないしな」
このこともありというのだ。
「休む、今は少し寝る」
「わかった、じゃあまた来る」
「そうしてくれ」
息子に優しい声で告げてだった。
鏡護は目を閉じた、封真は父が眠りに入ったことを確認してそのうえで家に戻った。そうして小鳥と今後のことを話した。
鏡護は夢の中にいた、最初は一人だったが。
前に丁が出た、すると丁の方から言ってきた。
「助かって何よりですが」
「運命が変わったことにですか」
「驚いています」
畏まっての返事だった。
「わらわも」
「そうでしょうな、ですがわしはです」
「嬉しいですね」
「はい」
前にいる彼女に微笑んで答えた。
「運命が変わったのですから」
「貴方が助かったことでなく」
「運命が変わる、つまりは」
「わらわが見た絶望もですか」
「変わります。ですから丁様も」
こう彼女に言うのだった。
「これからのことをです」
「見ていっていいですか」
「はい」
まさにというのだ。
「希望を胸に抱いて」
「希望なぞ忘れていました」
目を閉じて述べた。
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